2024年02月5日
遠隔一括管理を実現するデバイスマネージメントとは?その機能やメリットについて
近年、IoTの仕組みを自社のビジネスに取り入れる企業が増えていますが、中には、AIカメラやタブレットなどに代表される“エッジデバイス”と呼ばれる端末装置を多数利用する際、その管理方法に悩まれている担当者の方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、IoTの仕組みをビジネスに活用する際に欠かせない「デバイスマネージメント」とは何かについて分かりやすくまとめていきます。また併せて、デバイスマネージメントツールの代表的な機能やメリットなどについても解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
デバイスマネージメントとは
デバイスマネージメントとは、ネットワークに接続されたカメラやスピーカー・スマートフォンなどの端末装置、いわゆる“エッジデバイス”を管理・運用することを指します。
近年では、オフィスのセキュリティや商業施設におけるマーケティング、工場の品質管理など、様々な分野でIoTの仕組みを活用する企業が増加していますが、その際に課題となるのがAIカメラやセンサー類など各所に設置されるエッジデバイスの管理です。
特にビジネスシーンにおいては、多数のエッジデバイスを設置して活用するケースがほとんどです。しかし、各デバイスの操作やアップデートなどを1台1台行わなければならない…となると、保守のための人件費や出張費などがかかってしまうほか、事業の規模によっては1台ずつ環境の異なるデバイスへの対応でシステム運用が煩雑化してしまいます。
このような課題を解決するために必要となるのが、「デバイスマネージメント」です。複数台にわたるエッジデバイスを一元的に管理・運用するデバイスマネージメントツール・サービスを活用することで、ビジネスシーンにおけるIoTシステムの運用効率化・低コスト化を実現することができます。
関連記事:「エッジデバイスとは?その役割と仕組みについて分かりやすく解説」
デバイスマネージメントツールの主な機能は?
エッジデバイスを一元管理するデバイスマネージメントツールですが、一体どのような機能を持っているのでしょうか?
ここからは、デバイスマネージメントツールの主な機能について分かりやすくまとめていきます。
デバイスの一元管理
デバイスマネージメントツールの機能として代表的なのが、デバイスの一元管理機能です。
ビジネスシーンにおいてAIカメラなどのエッジデバイスを利用する場合、正しいデータを収集するためにもファームウェア・アプリのバージョンなど端末自体の設定を把握しておく必要がありますが、デバイスマネージメントツールを利用することで、様々な場所に設置されたデバイスでも「デバイスが現在どのような設定になっているか」「インストールされているアプリは何か」「エラーは出ていないか」など、遠隔からでも一元管理することができます。
【確認できる端末情報の例】
- ファームウェアバージョン
- インストールされているアプリ一覧
- MACアドレスやIPアドレス
- メモリやCPUの使用率
- CPU温度
- 撮影画像(AIカメラの場合)やSDカード内の情報
- デバイスの利用状況(電源オン・オフなど)
- エラーログやアクセスログ
- エッジデバイスの設置場所や保有者 …など
【一括操作の例】
- ファームウェア・アプリのバージョンアップ
- アプリのインストール・アンインストール
- ログのダウンロード …など
なお、上記の例に関しては、デバイスの電源が入っているのが条件となります。電源が入っていれば再起動などの操作が可能となることも多いのですが、デバイス自体の電源が入っていない場合は、直接設置場所に赴き、デバイス自体の電源をオンにする必要があります。
アプリの一括管理
デバイスマネージメントツールでは、エッジデバイスを一括管理するだけでなく、インストールされているアプリケーションの一括管理も可能となります。
利用時間や起動・停止など、デバイスにインストールされているアプリの利用状況を遠隔からでも把握することができるため、「アプリが正常に動作しているか」「CPUの使用率はどのぐらいか」などを一覧で確認、必要に応じてアプリの再起動や設定変更、アップデートを一括で実施することが可能です。
データの可視化
デバイスマネージメントツールには、デバイスで取得したデータを可視化する機能を持ったものもあります。
例えば、「Vieureka Manager」の場合、AIカメラの画像解析アプリから送信されたデータをクラウド上に蓄積し、下記のようにグラフ化する機能があります。
棒グラフや折れ線グラフなどグラフの種類が選択できるほか、期間の指定やデータのダウンロードができるなど、単に数値データとしてデータを取得するだけでなく、誰もが分かるような形でデータを見える化することができる機能を持ったデバイスマネージメントツールであれば、ビジネスシーンにおいても活用しやすいでしょう。
障害検知・通知
デバイスマネージメントツールには、異常発生時に通知を送信する機能もあります。
例えば、通信障害やアプリのエラー、CPU温度・CPU使用率・メモリ使用率が一定以上になった場合に通知することが可能。また、この“異常”の度合いについても、ユーザーごとやアプリごとに“しきい値”を定義しておけば、目的や用途によって調整しながら運用することもできます。
デバイスマネージメントのメリットとは?
ここまでデバイスマネージメントツールの機能についてご紹介してきましたが、このツールを活用することでどのようなメリットが得られるのでしょうか?
やはり一番のメリットは、複数のデバイスを遠隔から一括操作することによってコストや労力を削減することができる点です。
デバイスマネージメントツールを活用して遠隔操作で保守・管理することによって、遠隔地への出張費が削減できるほか、営業時間や稼働時間を気にせずにメンテナンスできるため、取引先訪問のための時間調整が不要になります。ですので、少ない人員でもサービスを海外展開するなど、これまで以上に幅広い地域でのビジネス展開を視野に入れることが可能となります。
また、障害発生時に能動的なサポートが可能になる点もメリットの一つです。
通常のカスタマーサポートであれば、お客様よりシステムに障害が出たと連絡を受けてから対応することになりますが、デバイスマネージメントができている場合は、サービサー側で障害を予測してお客様側へ報告、もしくはその場で対応するなど素早いアプローチも可能。さらに障害発生時でも、従来のようにエンジニアが現地訪問して原因を見つけるまで一人で試行錯誤するのではなく、遠隔サポートであれば、複数人のエンジニアが集まって落ち着いて障害の原因究明を行うこともできるため、顧客満足度の向上につなげることもできます。
IoTに欠かせないデバイスマネージメント
近年では、IoT導入を進める企業が増加していることもあり、まずはトレンドに乗ってIoTの仕組みを導入しようと導入自体に注力してしまい、その後の保守や運用まで頭が回っていなかった…という企業も少なくありません。
AIカメラやタブレットなどのエッジデバイスを上手くビジネスで活用するには、やはり「デバイスマネージメント」が欠かせません。
デバイスマネージメントツールによって多数のエッジデバイスを一括して管理することで、人件費や出張費などのコスト面だけでなく、その業務にかかる労力も削減することが可能です。これからIoTの仕組みを導入しようと検討されている企業の担当者の方は、
「システム導入後の保守・運用がしやすいか」
「サービスの規模が拡大した際に対応できるツールか」
「取得したデータの可視化できるか」
…などを検討材料にしながら、業務に使用するデバイスと併せてデバイスマネージメントツールの機能面にも着目してサービスを選択してみてはいかがでしょうか?
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