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2024年02月7日

  • コラム

IoTにおけるデバイス管理とは?デバイス管理の必要性や一括管理のメリット

IoTデバイスにおける一元管理の必要性とは?デバイス管理ツールでできることやツールの選び方

デバイスをネットワークで繋いで情報をやり取りするIoTの仕組み。近年ではこのIoTの仕組みを自社の業務に取り入れる企業も増加していますが、そのサービスの規模が大きくなればなるほど大きな課題となるのが、IoTデバイスの管理方法です。

そこで今回は、IoTにおけるデバイス管理とは何か、その必要性についてお話するとともに、IoTデバイスを一括管理するメリットやデバイス管理ツールでできることについて解説していきます。多数のIoTデバイスをどう管理するのが最適なのか悩まれている方にぴったりの内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

IoTデバイスの管理の必要性とは

IoT(アイオーティー)とは「Internet of Things=モノのインターネット」を指す言葉で、カメラやスピーカー、スマートフォンなどのデバイスをインターネットで繋いで情報をやり取りする仕組みのことを指します。

近年では、スマート家電や店舗のセルフレジ、セキュリティシステムなど、幅広い分野でIoTの仕組みが取り入れられており、それらには多数のデバイスが利用されているのですが、その際に課題となるのがそれらIoTデバイスの管理です。

ビジネスにIoTの仕組みを活用する場合、各所に設置したデバイスの電源のオン・オフ、アプリのバージョン、現在の設定などを把握し、必要に応じてアプリケーションの更新や設定変更を行うなどの作業が必要となります。

用いるデバイスが数台程度であれば、1台1台担当者が直接手作業で確認することもできますが、設置台数が多い場合、

「Aのデバイスは、電源が入っていない」
「Bのデバイスは、アプリのバージョンが古いままだった」
「Cのデバイスは、アプリにエラーが出ている」

…など、デバイスの環境や取得データにバラつきが出ることで、運用が煩雑化してしまうこともあります。また、それらを解消するために現地でエンジニアが1台1台各デバイスの操作やアップデートなどを行わなければならない…となると、事業規模が大きくなればなるほど保守だけで多額のコストがかかることになります。

このようなIoTシステムの運用における課題を解決するために重要なのが、IoTデバイス管理です。

特にビジネスシーンにおいては、多数のエッジデバイスを設置して活用するケースがほとんどであるため、IoTを活用してビジネスを効率化させるには、各地に点在する多くのデバイスをどう管理するかが決め手となります。

近年では、IoTデバイスとともにそれらを一元的に管理・運用するためのデバイス管理ツールを展開している業者も多数あるため、それらを上手く業務に取り入れることで、ビジネスシーンにおけるIoTシステムの運用効率化・低コスト化を実現することができます。

関連記事:「IoTとは?その仕組みやできること・業界別の活用例について
関連記事:「エッジデバイスとは?その役割と仕組みについて分かりやすく解説

IoTデバイスを一括管理するメリットとは?

IoTデバイスを一括管理するメリットとは?

ここまでIoTデバイスの管理の必要性についてお伝えしてきましたが、IoTデバイスを一括管理することでどのようなメリットがあるのか、具体的に挙げていきます。

作業が効率化できる

まず、専用のツールを活用してIoTデバイスを一括管理することで、作業が大幅に効率化できるという点がメリットとなります。

各地に設置された多数のデバイスでも、リアルタイムで状況把握ができるほか、遠隔地からでも一括操作を行うことができるため、取引先訪問に掛かる時間調整が不要になるなど、システムの運用や保守にかかる労力を削減し、業務の効率化を期待することができます。

遠隔操作によってコストの削減ができる

IoTデバイスを一括管理するメリットの一つには、コスト削減もあります。

特にIoTデバイスは定期的にファームウェアやアプリのアップデートが必要です。しかし、その度にエンジニアを現地に派遣していては、出張費や人件費などの多額のコストがかかってしまいます。そのような際にIoTデバイス管理ツールを活用し、遠隔操作で一括して保守・管理を行うことで、ビジネスにおけるコスト削減を図ることが可能です。

能動的なサポートが可能になる

IoTデバイスを拠点から一括管理することで、障害発生時に能動的なサポートが可能になるというメリットもあります。

通常のカスタマーサービスであれば、顧客から障害発生の連絡を受けてから対応するという受動的なサポートになるのが一般的です。しかし、IoTデバイスの一括管理によってリアルタイムでデバイスの状態を把握していれば、サービサー側で障害を予測して顧客側へ報告したり、その場で対応したりするなどの素早い解決も可能となります。

また、障害が発生してしまった際にも、従来のサポートであれば、エンジニアが現地に訪問し、顧客立会いのもと一人で試行錯誤する…といったケースも少なくありませんが、IoTデバイス管理ツールを活用すれば、障害対応が難しい場合でも遠隔から複数人のエンジニアが相談しながら落ち着いて原因究明を行うこともできるため、結果的に顧客満足度だけでなく、自社の従業員満足度の向上にもつなげることもできます。

IoTにおけるデバイス管理ツールでできることは?

IoTにおけるデバイス管理ツールでできることは?

多数のIoTデバイスを一元的に管理するために欠かせないデバイス管理ツールですが、具体的にどのようなことができるのでしょうか?ここからは、デバイス管理ツールでできることについて解説していきます。

IoTデバイス情報の確認

デバイス管理ツールでは、各地に設置されたIoTデバイスでも一括して端末情報を確認することが可能です。

【確認できるデバイス情報の例】

  • ファームウェアバージョン
  • インストールされているアプリ一覧
  • MACアドレスやIPアドレス
  • メモリやCPUの使用率
  • CPU温度
  • 撮影画像(AIカメラの場合)やSDカード内の情報
  • デバイスの利用状況(電源オン・オフなど)
  • エラーログやアクセスログ
  • エッジデバイスの設置場所や保有者 …など

例えば、AIカメラやタブレットなどIoTデバイス自体のファームウェアのバージョンやインストールされているアプリ、メモリやCPUの使用率・温度、各種エラー情報など、登録されているデバイスの状態を一覧表示で見られるようにしておけば、

「各地のデバイスが現在どのような設定になっているか」
「デバイスにインストールされているアプリは何か」
「故障やエラーは出ていないか」

…などを遠隔からでも一括してリアルタイムで確認することができます。

IoTデバイスの一括操作

デバイス管理ツールでは、遠隔からでもIoTデバイスの一括操作も可能です。

【デバイス一括操作の例】

  • ファームウェア・アプリのバージョンアップ
  • アプリのインストール・アンインストール
  • デバイスの設定変更
  • ログや撮影データなどのダウンロード …など

ビジネスにおいてAIカメラやタブレットなどのIoTデバイスを利用する場合、デバイスことに設定が異なっていてはデータ収集に影響が出てしまう可能性もあるほか、デバイスごとに対応を変える必要があるなど、運用が煩雑化してしまう恐れがあります。そのような時に有効なのが、デバイスの一括操作です。

ファームウェア・アプリのバージョンアップや設定変更など、デバイスの電源さえ入っていれば遠隔から一括して操作することで、IoTシステムの運用も効率化することができます。

アプリの一括管理

デバイス管理ツールではIoTデバイスだけでなく、それぞれの端末にインストールされているアプリケーションを一括管理することも可能です。

例えば、アプリの起動や停止、アップデートや設定変更を行うだけでなく、利用時間を把握することで、「アプリが正常に動作しているか」「CPUの使用率はどのぐらいか」などを遠隔管理することができます。

データの可視化

デバイス管理ツールには、IoTデバイスで取得したデータをグラフなどで可視化する機能を持ったものもあります。

例えば、私たちVieurekaのAIカメラを活用した「Vieureka Manager」を例に挙げると、デバイスにインストールされた画像解析アプリから送信したデータを、下記のようにグラフ化する機能があります。

デバイスマネージメントツールの主な機能「データの可視化」
Vieureka Manager QuickData 画面イメージ

「Vieureka Manager」では、棒グラフや折れ線グラフなどグラフの種類の選択も可能。単に数値データとして表示するだけではなく、データを用途ごとに比較・検討しやすい形式で見える化することで、より一層IoTの仕組みを運用しやすくします。

障害検知・通知

故障や障害などの異常発生時に通知を送信する機能も、デバイス管理ツールの機能の一つです。

例えば、通信障害やアプリにエラーが発生した際に通知を送信するのはもちろん、他にも、あらかじめCPU温度やCPU使用率・メモリ使用率が一定以上になった場合に通知を送信し、不具合を防止することも可能です。

なお、この一定以上を異常とする度合いについては、デバイス・アプリの性能や用途に合わせて“しきい値”を定義しておくなど、細かい調整も可能となっています。

関連記事:「遠隔一括管理を実現するデバイスマネージメントとは?その機能やメリットについて

IoTデバイスを効率的に管理してビジネスに活用!

IoTの仕組みを上手く活用して業務の効率化を図るには、デバイスをどう管理するかが重要です。

各地に設置したIoTデバイスを遠隔から一元的に管理することで、運用・保守を効率化させることができるため、これからIoTの仕組みを自社の業務に導入しようと検討している場合は、

  • 目的・用途にあったツール・サービスか
  • システム導入後の保守・運用がしやすいか
  • サービスの規模が拡大した際に対応可能か
  • 取得したデータの可視化できるか
  • サポート体制は十分か

…などのポイントに着目しながら、IoTデバイスとその管理ツール・サービスを選択することをおすすめします。

しかし、もし社内に専門知識を持つスタッフがおらず、IoTデバイス・管理ツールについてもっと詳細が知りたい…という場合は、ぜひ一度、私たちVieureka(ビューレカ)にご相談ください。専門知識を持ったスタッフが最適なIoTデバイスの運用・管理方法をご提案させていただきます。

IoTデバイスならパナソニック発のVieurekaにご相談を!

パナソニックの研究開発部門から発足した私たちVieureka(ビューレカ)は、「世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造」をミッションに掲げ、開発・導入・運用などのハードルを下げるプラットフォームを提供しています。

高性能なCPUを内蔵したエッジデバイス「Vieurekaカメラ」をはじめ、これまで取得できなかった情報をデータ化して活用する「Vieurekaプラットフォーム」など、お客様のご要望に沿った導入のご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。