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2024年01月12日

  • コラム

AIによる画像認識はビジネスでどう活用されている?実際の活用事例と導入時の注意点

AIによる画像認識はビジネスでどう活用されている?実際の活用事例と導入時の注意点

近年、多くの企業が導入を進めているAI(人工知能)。中でも「画像認識」と呼ばれる技術は、その技術の進化によって年々活用の幅を広げており、既にビジネスシーンにおいて欠かせない存在となっています。

今回は、その画像認識の技術がビジネスでどのように活用されているのか、AIカメラやプラットフォームサービスを展開する私たちVieureka(ビューレカ)が手掛けた実際の事例をご紹介します。また、画像認識をビジネスに導入する際の注意点もまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

幅広いビジネスに活用されている「画像認識」とは?


「画像認識」は、画像や映像の中から特定のパターンを認識する“パターン認識技術”の一種で、コンピューターや機械が画像に何が写っているのかを認識・分析する技術のことを指します。

この画像認識の仕組みは、私たち人間の脳がモノを認識する際の仕組みに似ています。例えば、私たちが動物の動画を見た際、その動物の外見の特徴や行動パターンなどを自身の過去の経験や知識と照らし合わせ、その動物が「猫なのか」「犬なのか」を判断します。

そのような人間の脳が自然に行っている仕組みを、コンピューターや機械で再現したものが画像認識と呼ばれる技術となっています。

なお、画像認識については、「AIによる画像認識の仕組みとは?基本的な知識から活用事例まで解説」や
画像認識にはどんな種類がある?画像認識における代表的な技術と活用方法とは」などでも詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。

画像認識のビジネス活用例①:入退室管理

画像認識のビジネス活用例:ビーコア株式会社様

出典:ビーコア株式会社様「入退室管理システム」より

ビジネスシーンにおいて画像認識は幅広い業務で活用されていますが、オフィスや工場などにおける入退室管理もその代表的な活用法の一つです。

例えば、衛生管理が義務化されている食品工場では、「いつ・どこの部屋に・だれが入ったのか」など、詳細に管理する必要があります。

従来のようにICカードを使って入退室を管理する場合、入館証を手でかざしたり読み取り部分に接触したりと、何かしらの“接触”は避けられません。通常のオフィスであれば問題ありませんが、例えばそれが食品工場であった場合、衛生面での懸念が残ってしまいます。また、画像認識には「顔認証」という技術もありますが、その顔認証システムによって入退室管理を行う場合でも、帽子やマスク、ゴーグルを付けたまま作業する従業員は入退室を行うたびにそれらを外さなければならず、逆に手間がかかってしまうのも課題となっていました。

それらの課題を解決したのが、ビーコア株式会社様の入退室管理システムです。

この入退室管理システムでは画像認識の仕組みを活用し、AIカメラでユニフォームや帽子に付けたカラービット入館証の検出からクラウドへのデータ送信までの全てを自動で処理することで、工場の出入り口をハンズフリーで通過することが可能になりました。

ハンズフリー化を実現したことで、管理者・作業者ともに入退室管理にかかる労力を軽減することができ、現在では、幅広い業種で入退室管理の効率化に活用されています。

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画像認識のビジネス活用例②:不織布の不良品検知

画像認識のビジネス活用例:株式会社KYOSO様

出典:株式会社KYOSO様「IoT.kyoto」より

こちらは株式会社KYOSO様とトーア紡マテリアル株式会社四日市工場様の研究開発の一環で、画像認識の技術を活用し、不織布の不良品検知が可能かを検証した事例です。

従来の検品では、作業員が目視で不織布製造時の表面の汚れや異色繊維の飛び込みなどを検知していましたが、AIカメラの画像認識技術を活用することで、検品作業における省力化が実現できるかを検証。

数値化された検品状況をリアルタイムで確認できるようにだけでなく、異常を検知した場合、担当者に通知が送信されるように設定するなど、今後の実用化が期待できる結果となっています。

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画像認識のビジネス活用例③:転倒・転落などの事故防止

画像認識のビジネス活用例:株式会社ケアコム様

出典:株式会社ケアコム様「見守りカメラシステム」より

画像認識の技術は、医療・介護の分野でも活用されています。

例えば、一歩間違えれば転倒・転落などの事故につながる高齢者の徘徊ですが、株式会社ケアコム様の見守りカメラシステムでは、AIカメラの画像認識を活用することであらかじめ危険な動作を検知。検知後は、ナースコールNICSS親機やスマホ、PHSに通知することで施設内での事故を防止する仕組みとなっています。

また、この見守りカメラシステムでは、ライブ映像で病室の様子が確認できるほか、画像認識の技術によって入居者の動作を細かく分析することができるため、誤報の原因となってしまうような動きも判別可能。スタッフの労力を軽減しつつ高い水準での見守りが可能となっています。

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画像認識のビジネス活用例④:介護スタッフの負担軽減

出典:パナソニック ホールディングス株式会社「LIFELENSサービス」より

AIカメラによる画像認識の技術は、介護スタッフの負担軽減やご入居者のQOL向上にも役立っています。

例えば、介護スタッフの負担が大きい夜間の巡視業務ですが、この巡視業務にAIカメラの画像認識を応用することで、スタッフルームからでも巡視ができ、巡視業務を大幅に削減可能。また、AIカメラの映像で入居者の安否・離床・睡眠などの状態を分析して把握しておけば、すぐさま状況に応じた適切な対応が行えるだけでなく過剰な訪室を減らすこともできるため、入居者側のストレス軽減はもちろん、介護スタッフのコール対応業務の削減にもなります。

実証事例では91%の巡視時間を削減するなど、画像認識の技術を活用することで、介護現場のケア品質の向上と業務負担の軽減の両立が実現しています。

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画像認識のビジネス活用例⑤:工場や倉庫などのネズミ駆除

画像認識のビジネス活用例:環境機器株式会社様

出典:環境機器株式会社様「Pest-Vision」より


画像認識の技術は、工場や倉庫などの害虫駆除にも活用されています。

例えば、工場や倉庫などにおけるネズミ対策。このネズミ対策を行う際は、粘着トラップを床や天井裏などに設置し、ネズミが捕獲できたかどうかによって侵入の有無や定着状況を把握するのが一般的でした。しかし、ネズミはかなり警戒心が強く、トラップを避けてしまうことも多々あるため、「捕獲がなかった=ネズミは生息していない」とは言えず、何度も対策を繰り返す必要があり、その時間と労力が大きな課題となっていました。

そんなネズミ駆除の業務を効率化したのが、画像認識技術を活用した環境機器株式会社様のネズミ検知システムです。

このネズミ検知システムでは、AIカメラによってネズミを遠隔から監視・行動分析し、ネズミの出現頻度が高い現場や出現時間を割り出します。AIの高精度な画像認識技術によって、従来のモニタリングにかかっていた労力が大幅に削減できるのはもちろん、ネズミによる被害を最小限で食い止めることでクレームを未然に防ぐこともできます。

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画像認識のビジネス活用例⑥:駅での転落や車両との接触を防止

画像認識のビジネス活用例

画像認識の技術は、白杖や車椅子の方が安心して公共交通機関を利用することができるように、鉄道駅における実証試験にも活用されています。

例えば、京阪電気鉄道株式会社様と株式会社アプリズム様では、鉄道駅を利用される白杖および車椅子の方をAIカメラの画像認識で検知し、リアルタイムで駅係員に通知する実証実験を実施されています。

駅の改札付近に、画像認識の仕組みを活用したAIカメラを設置して白杖・車椅子の方が改札を通過したかどうかを自動で検知。白杖や車椅子の方をサポートすることができるように駅係員の端末にリアルタイムで通知を送ることで、線路への転落や車両との接触を防止するなど、より安心・安全な環境への取り組みとして画像認識の技術が活用されています。
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画像認識のビジネス活用例⑦:密集度を見える化

画像認識のビジネス活用例:ビーコア株式会社様

出典:ビーコア株式会社様「ミツシル」より

画像認識の技術は、オフィスや病院・ホテルなどの人が多く集まる場所の密集度を把握する際にも活用されています。

混雑や密集に対する意識が大きく変わったコロナ禍以降、「できるだけ密を避けたい」「混んでいるから行かない」と考える人も少なくなく、商業施設やスポーツジム、飲食店などではそれらの心理状態が機会損失に繋がっていました。

そのような機会損失を防ぐのに有効なのが、画像認識技術を活用したビーコア様の密集度モニターシステム「ミツシル」です。

このシステムでは、AIカメラを出入り口に設置して人を検知することで、店舗や施設の密集度を5段階で見える化。施設の管理者だけでなく利用者もWeb上で現在の混雑度を簡単に知ることができるため、ビジネスの機会損失を防ぐことができるのはもちろん、病院やオフィスなどでも安心して訪れることができるようになります。

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画像認識のビジネス活用例⑧:作業員の安全性確保

画像認識のビジネス活用例:株式会社KYOSO様

出典:株式会社KYOSO様「IoT.kyoto」より

画像認識は、工場における作業員の安全性を確保する目的でも活用されています。

デクセリアルズ株式会社様では、保護具の着用判定を行うアプリに画像認識の技術を活用。
例えば、作業員がフェイスシールドや防毒マスクを着用しているかを解析し、その判定結果に応じてパトランプを光らせたり警報音を鳴らしたりするなど、着用の不備を知らせることで工場作業員の安全性を確保する仕組みが完成しています。

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画像認識のビジネス活用例⑨:新入社員のOJT研修

画像認識のビジネス活用例:株式会社モルフォ様

ビジネスの現場では、新人社員のOJT研修にも画像認識の技術が活用されています。

AI技術の研究・製品開発事業を展開されている株式会社モルフォ様では、新入社員のOJT研修の題材としてAIカメラによるサンプルソリューションを構築。複数カメラの画像をもとに人流モニタリングを3Dで行うシステムの開発が行われました。

実際に、新人研修でアプリへの実装経験を得ることで、自社の業務を進行する上でのスキルや能力の確認ができるほか、自社製品・サービスへの理解度が深まるなど、教育・育成の面でも有効に活用されています。

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画像認識をビジネス活用する上での注意点


ビジネスシーンでも幅広い分野で活躍を見せる画像認識の技術ですが、実際に自社のビジネスに取り入れる際、どのような点に注意しておけば良いのでしょうか?

ここからは、画像認識をビジネスで活用する上で注意しておきたいポイントについて解説していきます。

100%ではないことを理解して活用する

画像認識を活用する際は、精度が100%ではないことを理解した上で利用することが大切です。

確かにAIを活用すれば、人間よりも安定して高精度の処理をすることが可能です。しかし、誤検出や誤作動などを起こすこともあれば、人間の能力を下回ることもあります。

もちろん学習状況や環境、処理内容や分野によって精度に差は出るものですが、「AIによる画像認識は完璧」「AIがあれば万能」という訳ではないため、それらを理解した上で最終判断はあくまでも人間が下すなどで対応しましょう。

あらかじめ運用方針・戦略を立てておく

自社のビジネスに画像認識の技術を取り入れるだけで、売上増加や生産効率の向上が狙えるという訳ではありません。

例えば、画像認識を活用して、店舗での万引きが検知できるようになったとします。検知したらスマホなどの業務端末にアラートを鳴らして知らせる仕組みを構築したものの、その運用について綿密な計画を立てていない場合、業務端末を持っているのが数名のみでアラートに即座に対応できない、また誤検出が多く、徐々に従業員がアラートを無視するようになってしまった…なども起こり得ます。

他にも、店舗マーケティングの例では、画像認識を活用して来店人数のカウント・属性推定などが自動でデータ化できるようになったものの、社内にデータを読み解く専門家がおらず、そのデータをどう活かせば売上に繋がるのか分からない…などといったケースも少なくありません。

ですので、自社のビジネスに画像認識を導入する前に、あらかじめそのシステムの運用方針やデータをどう取り扱うのかという戦略をしっかり検討しておくことも必要です。

画像認識の専門家に相談する

自社のビジネスのどの部分に導入するのが良いのか、またAIが処理したデータをどう使うかなど、画像認識の技術を上手く活用するには専門知識やスキルも必要となります。

自社内にそれらのスキルを持つ担当者がいればいいのですが、もし社内にそういった人材がいない場合は、信頼できる専門家に相談することをおすすめします。最近では、導入からデータ分析・活用までを一貫してサポートが可能なサービス・ツールを提供している会社もあるため、一度問い合わせてみると良いでしょう。

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パナソニックの研究開発部門から発足した私たちVieureka(ビューレカ)は、「世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造」をミッションに掲げ、開発・導入・運用などのハードルを下げるプラットフォームを提供しています。

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