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2023年12月5日

  • コラム

画像解析でできることとは?具体的な活用シーンやビジネスでの導入事例

画像解析でできることとは?具体的な活用シーンとビジネスでの導入事例

近年のAI技術の発展により、耳にすることが多くなった「画像解析」という言葉ですが、何となくできることはイメージできるものの、具体的に画像解析がどのような技術で具体的に何ができるのかまでは分からない…という方も少なくないはず。

そこで今回の記事では、画像解析の技術でできることを詳しくまとめるとともに、実際に画像解析の技術を自社の業務に活用している事例も紹介していきますので、AIカメラの活用や画像解析技術に興味のある方はぜひ最後までご覧ください。

そもそも画像解析とは?

画像解析とは、AIカメラなどで撮影した画像・映像からコンピューターが特定の要素を抽出・分析し、その結果をもとに特定の判断を行う一連の処理のことを指します。

例えば人間が猫を見て“猫”だと判断する際は、過去の経験や知識をもとに、その物体の形状・大きさ・質感などがその特徴と合致しているかどうかで「これは猫だ」と判断しますが、画像解析においては、このような人間の脳が自然に行っているような一連の処理をAI(人工知能)が機械的に判別して処理する仕組みとなっています。

関連記事:「AIによる画像解析技術とは?代表的な手法や技術の活用事例

画像解析でできることとは?どんなシーンで活用される?

画像解析でできることとは?どんなシーンで活用される?

実際に、ビジネスの現場で画像解析を使ってできることとは何でしょうか?ここからは、画像解析の技術を利用してできることについて、具体的な用途・活用例をまとめていきます。

画像解析でできること①:人数カウント・属性・動線などの把握

画像解析の技術を活用すれば、来店客の人数や属性、店内での動線などを解析することが可能です。

特に小売店や商業施設で利用されることが多く、特定のエリアにどのぐらいの人数がどのぐらい滞在しているのか、主要通路から特定の売り場にどれぐらいの顧客が流れているのかなどを把握することで、売り場のレイアウト改善や店舗マーケティングに応用。売上増やサービス向上に役立てられています。

画像解析でできること②:入退室履歴・在室状況の把握

顔認証とは、あらかじめ登録しておいた人物の顔を判別する技術のことを指します。

この技術を活用することで、誰が入室してどのぐらい滞在しているか、また、特定の部屋の中に誰が在室しているかなどを確認することができるため、主にオフィスや工場などではセキュリティ目的で活用されています。

画像解析でできること③:不審な行動の検知

画像解析の技術を活用すれば、不審者の検知も可能です。

例えば、あらかじめ不審者として登録された人物を検知した時だけではなく、同じところを長時間に渡って何度も行ったり来たりしている、商品棚の前で不審な動きをしている…など、AIカメラの画像の中から大勢とは異なる異常な行動をとっている人物を検知した際などにもAIが自動で解析し、警備や管理者にリアルタイムで通知します。

また、画像解析は人物の姿勢や視線、行動を解析することで、不審者を発見するだけでなく犯罪被害に遭うのを未然に防ぐことも可能です。

例えば、近年、問題となっている振込詐欺ですが、このケースの場合、腕を耳のところに持って行っているかどうかなど、銀行ATM周辺の人物の姿勢から携帯電話の使用有無を判別。その特徴に当てはまった場合、ATMの管理者に通知するなど、振込詐欺の被害を未然に防ぐ目的としても活用が可能です。

画像解析でできること:不審行動の検知

画像解析でできること④:不良品の検知

製造の現場では、画像解析の技術を活用して検品作業を効率化させています。

従来、工場などでは目視での検品作業が一般的でしたが、あらかじめ良品・不良品とされる製品データを学習させたAIカメラを製造ラインに設置することで、微細な欠陥や傷など通常とは異なる製品を自動的に検知することが可能となっています。

また、パッケージにゴミなどの異物が付着していないか…といった外観検査もできるため、近年では、工場の自動化(FA:ファクトリーオートメーション)に伴って、導入する工場が増えています。

画像解析でできること⑤:在庫管理・仕分け作業

画像解析の技術は、在庫管理や荷物の仕分け作業の業務においても活用が進んでいます。

例えば、工場や倉庫などにおいては、画像解析の技術を使って商品や段ボール箱の数をカウントして管理することで、在庫管理を自動化することができます。また、荷物の仕分けや出荷作業についても、AIカメラの画像解析によって自動化することでピッキングミスや誤出荷などのヒューマンエラーを防ぐこともできます。

特に近年では、この画像解析の技術が商品棚の欠品検知に活用されることも多く、AIカメラで商品棚などの空き状況を検知して欠品した商品を判別するなど、発注や商品補充の効率化にも一役買っています。

画像解析でできること⑥:農作物の熟成度

画像解析の技術は、農業の分野でも活用が始まっています。

例えば、農作物をAIカメラで撮影した画像を解析することで、その作物の成熟度や糖度などを判別したり、IoT機器と連携し、農作物の状態に応じて温度調整や農薬散布を行ったりするなどが可能に。

これまで作業者の経験値で判断していた育成状況をAIが判断することで、品質管理が自動化できるだけでなく、収穫時期や出荷量の予測を立てることができるなど、今後、農業の分野においても活躍が期待されています。

画像解析でできること⑦:交通量の調査

人や車の交通量調査においても、AIカメラの画像解析を使えば自動化することが可能です。

従来のように人の目で調査を行う場合、限られた時間でしか調査できない、計測ミスなどのヒューマンエラーが起こる…などの課題がありましたが、AIカメラによる画像解析を活用することで、24時間365日調査ができる上、人の手による計測ミスが減らせる、リアルタイムで計測結果が確認できる、コストや労力が削減できる…などの恩恵を得ることができます。

画像解析でできること⑧:車の自動運転(歩行者や標識などの検知等)

画像解析は、近年注目されている車の自動運転においても欠かせない技術となっています。

この自動運転の分野では、周囲の車や歩行者、道路標識や信号・白線などを画像解析によって検出することで、AIがルートを最適化したり事故に繋がる危険を予測したりするなどの判断を行っています。

画像解析でできること⑨:転倒・転落リスク対策

医療・介護施設ではAIカメラの画像解析技術を活用して、患者や入居者の転倒・転落リスク対策を行っています。

AIカメラを室内や廊下などに設置し、患者や入居者の動線やトイレの回数、夜間の動きなどを把握。それぞれの動きを解析することで、転倒や事故に繋がる危険な行動を検知してスタッフに通知するなど、安全性の向上に役立っています。

画像解析でできること⑩:病気の早期発見

医療の分野では、画像解析の技術を病気の早期発見に活用しています。

医師が病気を診断する際にはレントゲン写真やCT・MRIなどの医療用画像を使うことが多々ありますが、それらをAIが解析することで自動的に病気の疑いがある箇所を抽出、医師の診断をサポートすることができます。

従来の医療施設では、担当医師の経験や知識に基づいて病気かどうかを判断していたこともあり、診断の精度がバラついてしまうのが課題の一つとなっていましたが、画像解析を活用することにより、将来的にはどの医師でも安定した精度で病気の早期発見ができるように研究が進められています。

関連記事:「AIカメラにできることは?検知の種類を知って業務の効率化を実現!

画像解析でできることを活用したビジネス導入事例

ここまで画像解析の技術でできることについて代表的な用途をまとめてきましたが、実際の企業ではどのように活用されているのでしょうか?

ここからは、私たちVieureka(ビューレカ)のAIカメラを使った実際の活用事例についてご紹介しますので、ぜひビジネスの参考にご覧ください。

保護具の着用を判別して作業員の安全性を確保

ビジネスにおける画像解析の活用事例

出典:株式会社KYOSO様「IoT.kyoto」より

株式会社KYOSO様では、AIカメラを使った画像解析技術を工場作業員の安全性を確保するためのアプリにも活用されています。

例えば、株式会社KYOSO様がデクセリアルズ株式会社様に提供されたアプリでは、フェイスシールドや防毒マスクなど保護具の着用判定を行う仕組みにAIカメラを利用。画像解析の一つである物体認識技術を活用して作業員が防毒マスクを着用しているかを解析し、その判定結果に応じて、パトランプを光らせたり警報音を鳴らしたりするなど、工場作業員の安全性を確保するための仕組みが完成しました。

デクセリアルズ株式会社様の事例はこちら

製品の不良品検知に活用

出典:株式会社KYOSO様「IoT.kyoto」より

こちらは研究開発の一環として、AIカメラで不織布の不良品検知が可能かを検証した事例です。

従来の検品では作業員が目視で作業を行っていましたが、不織布製造における表面の汚れや異色繊維の飛び込みなどを検知する際に、AIカメラの画像解析技術を活用することで検品作業が省力化できるかを検証。

検品状況を数値化してリアルタイムで確認できるだけでなく、異常を検知した際に通知が送られてくるように設定するなど、今後の業務効率化が期待できる実証実験となりました。

株式会社KYOSO様の事例詳細はこちら

害虫駆除の業務を効率化

ビジネスにおける画像解析の活用事例

出典:環境機器株式会社様「Pest-Vision」より

AIカメラを使った画像解析技術は害虫駆除の現場でも活用されています。

例えば、工場や倉庫などの施設においてネズミ駆除を行う際は、粘着トラップを床や天井裏などに設置し、捕獲の有無によってネズミの定着・侵入を把握するのが一般的です。しかし、警戒心の強いネズミは人間側が設置したトラップを避けてしまうことがあるため「捕獲がなかった=ネズミは生息していない」とは言えず、その対策にかける時間と労力が課題となっていました。

そんな害虫駆除の業務を効率化したのが、AIの画像解析技術を活用したネズミ検知システムです。

このネズミ検知システムでは、AIカメラの動体検知によってネズミを遠隔監視。ネズミの出現頻度が高い現場や出現時間などのデータを可視化することによって、企業における害虫対策を効率化しています。

環境機器株式会社様のねずみ検知システム詳細はこちら

関連記事:「【Vieurekaパートナーインタビュー】第5回 環境機器株式会社様

画像解析による来客分析でサービス品質向上

ビジネスにおける画像解析の活用事例

AIカメラを使った画像解析の技術は、来客属性を把握する際にも活用されています。

こちらは、大阪空港内のカードラウンジにおける来客分析の事例です。
AIカメラの画像解析を利用することにより、これまで目視で行っていた来場者の人数・性別・年齢などの記録作業が自動化。従来よりも来客分析にかかるスタッフの工数が削減されたことにより、空いた時間をサービス品質向上のために充てることができるようになりました。

関西エアポートリテールサービス株式会社様の活用事例詳細はこちら

来店客の購買行動を把握して売上アップが実現

ビジネスにおける画像解析の活用事例

AIカメラによる画像解析は、来店客の属性を分析するだけでなく、購買行動をデータ化する際にも有用です。

こちらは、AIカメラをアイス売場における顧客の購買行動分析に使った事例です。店舗内の入口、主通路、アイス売場にカメラを設置し、主通路からアイス売場への買い物客の流入状況を動線データにより視覚化。

さらに来店人数やアイス売場への到達人数、顧客のアイス売場における商品接触データなどを総合的に分析してマーケティングに活かすことで、アイス売場全体の売上アップが実現しました。

株式会社ロッテ様の活用事例詳細はこちら

医療・介護施設での転倒・転落リスク対策として

ビジネスにおける画像解析の活用事例

出典:株式会社ケアコム様「見守りカメラシステム」より

こちらの株式会社ケアコム様では、AIカメラを活用した見守りカメラシステムを展開。医療・介護施設における入居者の転倒や転落のリスク対策としてや臨床センサーの誤報軽減対策として画像解析の技術が使われています。

例えば、一歩間違えれば転倒・転落につながる高齢者の徘徊ですが、AIカメラを設置することであらかじめ危険な動作を検知。ナースコールNICSS親機やスマホ、PHSに通知することで施設内での事故を防止しています。

また、AIによる画像解析技術を使えば、誤報の原因となるような動きも判別できるほか、カメラで病室の様子もリアルタイムで確認できるため、高い水準での見守りが可能となっています。

株式会社ケアコム様の活用事例詳細はこちら

AIカメラの導入ならパナソニック発のVieurekaにご相談を!

パナソニックの研究開発部門から発足した私たちVieureka(ビューレカ)は、「世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造」をミッションに掲げ、開発・導入・運用などのハードルを下げるプラットフォームを提供しています。

高性能なCPUを内蔵したエッジデバイス「Vieurekaカメラ」をはじめ、これまで取得できなかった情報をデータ化して活用する「Vieurekaプラットフォーム」や顧客行動や商品の陳列状況をデータ化する「来客分析サービス」など、お客様のご要望に沿った導入のご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。