HOME > ブログ > コラム > AIにも苦手なことがある?AIの得意分野・不得意分野とは?

2023年07月7日

  • コラム

AIにも苦手なことがある?AIの得意分野・不得意分野とは?

AIにも苦手なことがある?AIの得意分野・不得意分野とは?

製造業や物流、マーケティングなど、近年では幅広い分野で導入が進んでいるAI(人工知能)。

人間よりも速く精度の高い処理が可能であることから、「AIを導入すれば何でもできる」「AIは万能」といったイメージを持たれている方も多いかもしれません。確かに、AIを導入することで業務効率や生産性が向上したりコスト削減ができたりとメリットも多いのですが、その反面、AI技術はまだ進化の途中でもあるため、できないことや苦手なことも少なくありません。

そこで今回は、AIが苦手なことにはどのようなものがあるのか、そしてAIの強みとなる得意なこととは何なのか、AIの得意分野・不得意分野について解説していきます。

AIが苦手なこと・できないことは?

AIが苦手なこと・できないことは?

技術の進歩によってできることが飛躍的に増えているAI。しかし、そんなAIにもできないことや苦手なことが存在します。

では一体、どのようなことを苦手としているのでしょうか?
ここからは、AIの苦手とする分野について詳しく解説していきます。

苦手なこと①:創造性が必要な作業

AIが苦手なことの1つに、創造性が求められる作業があります。

AIは基本的に過去のデータに基づいて処理を行うことを得意としているため、ゼロから新しく何かを生み出すというクリエイティブな作業はできません。近年では、作曲や描画・執筆などを行うAIも登場はしていますが、あくまでもそれらは過去のデータから最適なものを組み合わせて作っているだけで、人間のアーティストが行っているようなゼロから何かを生み出すという作業とは異なります。

つまり現状では、人間があらかじめ必要なデータを与えて学習させなければいけないため、美術や音楽に限らず、人間が想像もできない何かを生み出すなどの創造性が求められるような作業は、AIにとっての苦手分野だと言えます。

苦手なこと②:人の気持ちを汲み取ること

人や動物などの感情を汲み取ることも、AIが苦手なことの1つとなります。

例えば、「もう結構です」という一言を挙げてみても、言い方によって怒っているのか諦めているのかも大きく違いますよね。このように人間同士でコミュニケーションを行う際には、一つの言葉でも言い方で大きく意味が違ったり、発した言葉が単なる社交辞令であったり、本来の意味とは正反対の意味だったりすることも珍しくありません。

ビジネスだけでなく日常の中でも、相手の言葉にどのような真意があるのか、その場の空気を読みながらコミュニケーションを取るケースが多々あるかと思いますが、その相手の真意を正しく汲み取るという行動が現在のAIにとっては苦手なことだと言えます。

苦手なこと③:少ないデータでの推論

AIの苦手なことには、少ないデータで推論を行うことも含まれます。

基本的にAIが推論を行うには、過去のデータを分析して共通点やルール性を抽出する必要があるのですが、その際、学習データの量が多ければ多いほど精度は上がります。

必要なデータの量は処理内容によって異なりますが、現時点のAIの技術では、学習に利用できるデータが少なければ、それに伴い精度も下がってしまいます。そのため、個人に合わせて対応を変えるパーソナライズ化なども、学習に利用できる個別のデータが少なく正確な判断ができないため、AIにとっては苦手なことに含まれます。

苦手なこと④:合理的でない判断

AIは多くの学習データを分析した上で、最も合理的だと考えられる答えを出すのが特徴です。そのため、合理的でない判断を下すのは苦手だと言えます。

基本的にAIは、数値的に優れているなど厳格なルールに則って判断します。そのため、ビジネスでよくあるシーンを例にとると、その場の雰囲気で臨機応変に判断を変更したり、相手との関係性で忖度を加えたりするなどの対応は合理的とは言えないので、AIにとっては難しいのです。

苦手なこと⑤:目的を示す

AIは人間の脳のような処理が可能だと言っても、あくまでも人間側の設定した目的を達成するための最適な手段を示すだけで、目的そのものを自ら設定して示すことはできません。

現時点では、画像・音声認識や車の自動運転など、人間が設定した決まった役割をこなす“特化型AI”と呼ばれるものは実用化されていますが、自己意識を備えたより人間に近い“汎用型AI”と呼ばれるシステムはまだ実用化には至っていないため、AIを活用する際には人間が介在して目的・目標を設定する必要があります。

苦手なこと⑥:入力デバイスの性能を超える作業

AIは、カメラやマイクなどの入力デバイスの性能を超える作業をすることもできません。

例えば、AIによる画像認識のケースで見てみると、撮影場所が暗所や逆光の場合、カメラの性能によっては対象物がはっきりと撮影できないため、どれだけAIの性能が高くても対象物を検出することはできません。

あくまでもハード側の性能や周りの環境によってAIの性能が律速するという点も、AIの特徴だと言えるでしょう。

関連記事:「AIにおける問題点をわかりやすく解説!課題を把握した上でスムーズに導入するポイントとは?

AIが得意なことは?

AIが得意なことは?

現時点の技術においては、AIが苦手なことも少なくありませんが、反対にAIが得意なこととはどのようなことでしょうか?
ここからはAIの得意分野についてまとめていきます。

得意なこと①:大量のデータ処理

AIは、大量のデータ処理を得意としています。特に、その処理スピードや正確さについては人間の比にならないレベルです。

人の手で作業する場合は、疲れや集中力の欠如など、その日のコンディションでミスが出たり処理スピードが変わったりしますが、AIであれば、そういったものに影響されることなく常に安定した処理が可能となります。

得意なこと②:ルール化された単純作業

ルール化された単純作業も、AIが得意なことの一つとなります。

AIは人間のように何かをゼロから創造したりすることはできませんが、AIに作業に関するルールを学習させれば、後はそのルールに則って淡々と作業をこなしていくことができるため、製造工場や倉庫などの検品や店舗や施設内での人流調査などのルール化しやすい比較的単純な作業は、人間よりもAIの方が格段に速く高精度で処理することが可能です。

得意なこと③:共通点の抽出

AIは、複数のデータから共通点を抽出することも得意としています。

例えば画像認識の分野では、AIが読み込んだ大量の画像・映像データから共通点を見つけ出すことで、同じような特徴のあるものが映っているかどうかなどの判断が可能となります。そのため、製造工場では検品時に規定から外れた不良品が無いかをチェックしたり、顔認証を使って登録された人物と同一かどうかをチェックしたりするなど、AIの得意とする共通点の抽出を利用して、幅広い分野でその能力が活かされています。

得意なこと④:過去データに基づく数値予測

AIの得意なことには、過去のデータに基づく数値予測も含まれます。

大量の統計データを学習して精度を上げることで、リアルタイムで予測を立てることができるため、今後の商品需要や店舗売上の予測などだけでなく、近年では、株価や農作物の成熟度などもAIによって予測を立てることが可能となっています。

関連記事:「AIカメラにできることは?検知の種類を知って業務の効率化を実現!

AIを活用するなら、得意なこと・苦手なことの把握も重要

AI技術はまだ発展の途中ということもあり、現時点ではまだ苦手なことや出来ないことも多々ありますが、AI技術の発展によってそれらの課題が解消され、今後は少しずつAIでできることの幅が広がっていくものと思われます。

今後、ビジネスシーンにおいても企業のAI導入が加速することが予想されますが、その際に格差が生まれてしまわないよう、一度、自社の業務にAIが活用できないか検討してみてはいかがでしょうか?

業務をAIに置き換えることで、生産性の向上やコスト削減など多くのメリットを得ることができます。
しかし、ただ導入するだけで効果が出る訳ではなく、AIが分析した結果を人がどう扱うかによっても結果は大きく変わってくるため、システムの導入から課題解決まで専門的なアドバイスをしてくれるサービスを選ぶことも重要です。

もしAI導入をお考えでしたら、ぜひ一度、私たちVieureka(ビューレカ)にお問い合わせください。AIの専門家が課題解決に向けて、導入から課題解決までサポートさせていただきます。

AIカメラの導入ならパナソニック発のVieurekaにご相談を!

パナソニックの研究開発部門から発足した私たちVieureka(ビューレカ)は、「世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造」をミッションに掲げ、開発・導入・運用などのハードルを下げるプラットフォームを提供しています。

高性能なCPUを内蔵したエッジデバイス「Vieurekaカメラ」をはじめ、これまで取得できなかった情報をデータ化して活用する「Vieurekaプラットフォーム」や顧客行動や商品の陳列状況をデータ化する「来客分析サービス」など、お客様のご要望に沿った導入のご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。