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2023年03月29日

  • コラム

エッジAIにおける現状の課題は?煩雑な運用を円滑にする最新の仕組みをご紹介

エッジAIにおける現状の課題は?煩雑な運用を円滑にする最新の仕組みをご紹介

近年では、製造業や小売業など様々な業種が持つ課題の解決に活用されているエッジAI。

このエッジAIについては、端末のみで利用できることからコスト面や利便性などのメリットばかりに目が行きがちですが、実際のところ、導入や運用についての課題も少なくはありません。

そこで今回は、そんなエッジAIの特長をまとめるとともに、エッジAIがどのような課題を抱えているのか、また、それらの課題を解決するにはどうすれば良いかなど、分かりやすく解説します。

自社の課題を解決!エッジAIの特長

エッジAIとは、カメラやスピーカーなどの“エッジデバイス”と呼ばれる端末に人工知能(AI)を搭載したもののことを言います。

エッジAIの最大の特長と言えば、やはり端末のみで利用できるという点です。

エッジAIと比較される仕組みに「クラウドAI」がありますが、クラウドAIの場合は、端末で収集したデータ全てを送信し、クラウド上でAI処理を行うため、通信状態によってタイムラグが発生してしまうことがあります。しかし、エッジAIであれば、現場に設置した端末内でAI処理ができるため、通信状態の影響を受けることなく、リアルタイムでの処理・判断ができるのです。

上記の通り、エッジAIには端末のみで利用できるという特長がありますが、それにより、さらに多くのメリットを得ることができます。ここでは、エッジAIが持つ代表的なメリットをまとめていきますので、自社の課題解決の参考にご覧ください。

  • リアルタイムでの判断が可能
  • コストの削減
  • セキュリティの強化・プライバシーへの配慮
  • 精度の高い処理

リアルタイムでの判断が可能

端末側でAI処理を行うエッジAIなら、通信によるタイムラグがないため、リアルタイムで判断が必要なケースに有効です。

通信状態によるタイムラグはもちろん、データ収集から判断を出すまでのタイムラグもないため、即時対応が必要な自動車の自動運転や機器の制御などに活用されています。

コストの削減

エッジAIは、コスト削減が課題となっている企業にも大きなメリットをもたらします。

例えば、エッジAIは端末一つで処理が可能であるため、従来の監視カメラなどのようにパソコンやモニター、それに伴う配線などの設備を準備する必要がなく、設備やシステム構築などの導入コストが削減できます。

また、エッジAIは端末内で処理したデータの内、必要なものだけをクラウドに送信するので、クラウド上に全データを送信して処理を行うクラウドAIと比較すると通信量を大きく下げることができるため、通信にかかるコストを削減することも可能です。

セキュリティの強化・プライバシーへの配慮

エッジAIは、端末内でAI処理を行うことで全てのデータを送信する必要がないため、セキュリティやプライバシーに関する課題を抱える企業にも適しています。

端末内での処理が終われば元データを破棄することもできるため、画像に映っている人物のプライバシーへの配慮ができるだけでなく、インターネット回線を通してデータを送信する必要がないので、社内の機密情報が漏れてしまうなどのリスクを軽減することができます。

精度の高い処理

エッジAIは、端末で取得したデータを使ってそのまま端末内でAI処理を行うため、クラウドAIよりも処理精度が良くなるケースがあります。

クラウド上でAI処理を行うクラウドAIの場合、映像・画像など容量の大きいデータを送信する際には圧縮処理を行うのが一般的です。しかし、その圧縮処理によって画質が落ちることがあるため、クラウドAIよりも圧縮前の元データを使ってAI処理を行うエッジAIの方が精度の高い処理が可能となります。

関連記事:「エッジAIとは?クラウドAIとの違いや自社の課題に合わせた選び方

エッジAIにおける現状の課題

エッジAIにおける現状の課題

エッジAIの導入はコストやセキュリティ面においてメリットが多く、幅広い分野で導入が進んでいます。しかし、そのエッジAIに一つもデメリットがないわけではありません。

ここでは、現在のエッジAIが抱える下記の課題について詳しく解説します。

  • 端末における処理能力の限界
  • 保守・運用が煩雑になりがち

端末における処理能力の限界

エッジAIの課題の一つとなっているのが、端末における処理能力の限界です。

エッジAIではエッジデバイスと呼ばれる端末内でAI処理を行いますが、その端末に搭載できるリソースには限りがあるため、端末のスペックによっては、大容量のデータを処理したり、高度で複雑な処理を行ったりする際に無理が生じる可能性があります。

また、高度で複雑な処理を行うためにエッジAIの性能を上げる場合には、新機種として開発しなければならない点も課題の一つだと言えるでしょう。

と言うのも、エッジAIでは端末内にすべての機能を搭載する必要があるため、性能によっては、端末自体の寸法が大きくなったり重量が増えてしまったりと、本来エッジAIが持つ利便性にも影響が出てくる可能性があるからです。

もし、エッジAIを導入するのであれば、「途中で処理が追い付かなくなった…」とならないように、希望する内容がエッジAIのスペックで無理なく継続できるかどうか、また高度な処理が必要となった場合にクラウドAIと分散処理は可能かなど、専門家と相談しておくのが良いでしょう。

保守・運用が煩雑になりがち

エッジAIには、導入後の保守・運用が煩雑になりがちであるという課題もあります。

もともとエッジAIは、端末内にAIを搭載して処理を行っているので、システムをアップデートする際には、端末ごとにアップデートしたソフトを入れる必要があります。少数の端末で運用している場合はそれほど大きな手間はかかりませんが、問題となるのは、例えばエッジAIを日本全国の店舗に設置するなど、大きな規模で運用しているケースです。

エッジAIを一元管理できるシステムを使えば大規模な保守作業でも問題ないように見えますが、そもそも各端末の電源が入っていなければ一括でアップロードすることはできません。また、それに伴って現場にある端末のバージョン管理が必要となり、結果的に保守や運用が煩雑化してしまうことも少なくありません。

エッジAIが抱える運用の課題を軽減するなら

エッジAIの導入には多くのメリットがありますが、先ほどお話したように、端末性能の限界や運用の煩雑さなどの課題も残っています。しかし、中にはエッジAIが持つ端末や運用に関する負担を軽減することができるサービスも存在しています。

ここでは、エッジAIが持つ導入や運用の課題を軽減するVieureka(ビューレカ)のプラットフォームサービスと来客分析サービスについてご紹介します。

エッジAIの遠隔管理も可能なクラウド型プラットフォーム

エッジAIの遠隔管理も可能なクラウド型プラットフォーム

「Vieurekaプラットフォームサービス」は、エッジ側の「AIカメラ」「画像解析アプリ」、クラウド側の「Vieureka Manager」「アプリサービス」の4つのブロックからなるパートナー様との共創サービスです。

Vieurekaからは、エッジAIカメラとそれらをクラウドで遠隔管理するシステムVieureka Managerを提供、パートナー様側からは、画像解析アプリ、もしくはアプリサービスを開発・提供していただくことにより、多様なサービスをエンドユーザーに提供することができます。

Vieurekaカメラ

Vieurekaカメラは、高性能なCPUを内蔵したVieureka プラットフォーム対応のAIカメラです。

カメラ内で画像解析を行うことで、現場にパソコンを設置したりクラウドへ大容量の映像データを送信したりする必要がないため、円滑にサービスを構築することが可能です。また導入後でも、遠隔からアプリをアップデートすれば、導入時よりもサービスの利用価値を高めることができます。

Vieureka Manager

Vieureka Managerは、エッジAIの課題となっている運用負荷を劇的に軽減することを目的としたエッジAIの一元管理ツールです。

ブラウザ上でカメラの状態監視や操作、カメラ内で動作している画像解析アプリのバージョン管理や制御を行う機能が搭載されているため、カメラの設置後は現地へ行くことなく、リモートで世界中のエッジAIカメラを保守・管理・アップデートすることができます。

SDK

SDKは、Vieurekaカメラで動作するアプリを効率的に開発するためのツールです。

このSDKを利用することで、PythonもしくはC/C++を使って画像解析アプリを開発することが可能になるため、お客様の目的にあったアプリを短時間で構築することができます。

スターターキット

開発に必要なアイテムをワンパッケージで提供するスターターキットなら、開けて5分でエッジAIを始めることができるので、導入時の煩雑な手間を省き、お客様のニーズに合わせて様々な画像解析アプリを容易に自社で開発できる環境を実現します。

エッジAIをかんたん導入!顧客のあらゆる行動を可視化する「来客分析サービス」

エッジAIをかんたん導入!顧客のあらゆる行動を可視化する「来客分析サービス」
エッジAIをかんたん導入!顧客のあらゆる行動を可視化する「来客分析サービス」

Vieureka(ビューレカ)の「来客分析サービス」は、エッジAIカメラであらゆる顧客行動を視覚化するサービスです。

従来、ECなどのオンライン上でしか把握できなかった顧客行動ですが、この「来客分析サービス」を活用すればリアル店舗でも来店客の行動をデータにすることができるので、ID-POSデータだけではわからなかった購買に至るまでの行動や商品棚の陳列状況などを定量化することが可能となります。

また、導入時は現場のパソコンや広帯域のネットワークが不要である点にも注目です。エッジAIカメラを設置するだけで簡単にサービスがスタートできることで初期コスト・月額コストが劇的に圧縮されるので、1店舗からスモールスタートし、数十店舗に順次拡大するのも簡単です。

「売り場にどう顧客が流れているのか把握したい」
「商品棚の状況を把握して、売り場レイアウトや棚割りを最適化したい」

…など、店舗運営やマーケティングにおける課題解決に向けて力強くサポートします。

エッジAIの導入ならパナソニック発のVieurekaにご相談を!

パナソニックの研究開発部門から発足した私たちVieureka(ビューレカ)は、「世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造」をミッションに掲げ、開発・導入・運用などのハードルを下げるプラットフォームを提供しています。

高性能なCPUを内蔵したエッジデバイス「Vieurekaカメラ」をはじめ、これまで取得できなかった情報をデータ化して活用する「Vieurekaプラットフォーム」や顧客行動や商品の陳列状況をデータ化する「来客分析サービス」など、お客様のご要望に沿った導入のご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。