2023年01月27日
AIカメラの取得データはどう使う?実際の現場での活用事例とは
店舗やオフィス、工場など、多種多様なシーンで利用されているAIカメラですが、「普通のカメラと何が違うのか」「具体的な活用方法とは?」と思われている方も少なくないかもしれません。
そこで今回は、そもそもAIカメラとは何かをわかりやすくご説明するとともに、その種類や特徴、そして実際の現場での活用事例をご紹介します。
目次
AIカメラとは?
AIカメラとは、その名の通りAI(人工知能)を搭載したカメラのことで、画像や映像の記録だけではなく、カメラと接続しているAIがそれらを認識・解析することができるのが特徴となっています。
AIカメラの撮影機能自体は、防犯カメラや監視カメラのような従来のネットワークを利用したカメラと基本的にはほぼ同じですが、異なるのは、その撮影後の仕組み。
例えば、従来のネットワークカメラの場合、撮影した映像などを確認するには人が目視する必要がありますが、AIカメラの場合だと、映像を記録すると同時にAIがそのデータを解析することもできるため、業務を効率化するだけでなく、従来のカメラでは難しかったデータの収集などを行うことも可能となっています。
そのため、データ整理や解析作業に従来のような労力や人手が不要になることから、近年では、多くの業種・用途でAIカメラが活用されています。
AIカメラの種類は大きく2つ
AIカメラは、どこでAIの処理を行うかというシステムによって大きく2つに分けられます。
ここでは、端末側でAI処理を行う「エッジAI」と、クラウド上でAI処理を行う「クラウドAI」についてそれぞれ特徴をまとめます。
エッジAI
「エッジ」とは、スキャナーやスマートフォン、カメラ、スピーカーなどのデバイス機器を指す言葉。それらエッジデバイスの一つであるカメラに直接AIを搭載して、情報処理を行うものを「エッジAIカメラ」と言います。
インターネット回線を通して映像データを別の場所にアップロードせずとも、端末内でAI処理ができるため、リアルタイムでの画像解析に強く、通信コストの節約やセキュリティ面でリスク軽減できるのが特徴となっています。
クラウドAI
「クラウドAI」とは、カメラで撮影した映像などのデータをインターネット回線を通して送信することで、クラウド上に搭載されたAIが解析を行うシステムです。
クラウド上で処理を行うため、エッジAIよりも多くの情報処理が行えるのがメリットです。
ただ、データ量によっては通信コストが膨大になる可能性があること、また、インターネット回線を通して映像などのデータを送信することから、セキュリティ面でのリスクなどに備えておく必要もあります。
【業種・業態別】AIカメラで取得できるデータと活用事例
AIカメラは、実際の現場でどのように活用することができるのでしょうか?
- 小売店
- ショッピングセンター
- オフィス
- 医療・福祉施設
ここでは、上記のような業種・業態別での活用事例をご紹介します。
小売店での活用事例
AIカメラの人物検知機能を利用すると、性別・年齢・動線・滞在時間・コンバージョンなどの情報を把握することが可能であるため、小売店などでは、売り場作りや来店客の行動分析をするのに活用されています。
- 性別
- 年齢
- 動線
- 滞在時間
- コンバージョン …など
具体的には、店内にAIカメラを設置することで、入口を何人が通過して、その内の何人がこのエリアに来たのか、そして何人がこの棚の前に来たか、さらにはその棚の商品を手に取ったかどうか…なども把握できるようになるため、常連顧客の把握だけでなく、店内レイアウトや商品仕入れに役立てることができます。
ショッピングセンターでの活用事例
小売店だけでなく、各種店舗の集まる大型ショッピングセンターなどでも、AIカメラを導入することで、以下のような情報を得ることができます。
- 来店客の属性(性別・年齢など)
- 動線
- 視線の動き
- 車のナンバー
- 車種 …など
例えば、ショッピングセンターの駐車場などにAIカメラを設置することで、ナンバーや車種から商圏分析や来店客層(富裕層、低所得層、事業者か個人か)を把握し、マーケティングに活用することができます。
また、AIカメラなら店舗案内やイベント告知などに使われているサイネージの視聴調査も可能。顔の向きや視線を検知することで、デジタルサイネージが視聴されているか、また通過人数のうち何人が視聴しているかなどを調べることもできるため、より効果的な告知方法や設置場所を検討する際に役立ちます。
オフィスでの活用事例
AIカメラを設置することで、オフィスなどへの入退室管理も自動化できます。
- 入退室した人物
- 入退室した時間
- 在室状況 …など
あらかじめ入退室が必要な人物の顔認証をAIカメラで行っておくことで、人物ごとの入退室履歴が記録され、リアルタイムで在室状況が確認できたり、不正な侵入を防いだりすることが可能です。
医療・福祉施設での活用事例
AIカメラは医療・福祉施設でも活用されています。
- 夜間の動き
- トイレ回数
- 入居者の動線 …など
例えば、介護施設などでは、入居者の夜間の動きやトイレの回数、その動線を把握しておくことで、事故の原因になりやすい状況や場所を特定することができます。また、転倒を検知した前後の映像を記録して分析することで、あらかじめ転倒事故などを検知してスタッフに通知するなどの活用方法も。
AIカメラを活用することで、入居者の方々の身体的な苦痛だけでなく、そのご家族の不安も軽減し、“QOL(Quality of Life)=生活の質”の向上に貢献します。
実際の現場でのAIカメラ活用事例とは
AIカメラの導入と言えば、「システム開発のハードルが高い…」と思われがちであるため、一般的には一連のシステムにおける「開発」のしやすさに目が行きがちですが、AIカメラを本当の意味で活用するには、「開発・導入・運用のしやすさ」の3つが重要となります。
私たちVieureka(ビューレカ)では、AIカメラの導入におけるハードルを下げるために、既に基本的な機能とソフトウェアライブラリをご用意。さらに現場に必要なのはAIカメラだけとなっているため、スピーディーな導入と円滑な運用が両立します。
ここでは、実際に私たちVieureka(ビューレカ)の製品・サービスを利用された企業様の活用事例をご紹介します。
アイス売場の購買行動分析におけるAIカメラ活用事例
こちらは、アイス売場の購買行動分析におけるAIカメラの活用事例です。
店舗内の入口、主通路、アイス売場にカメラを設置し、それぞれのAIカメラから購買行動データを取得。主通路からアイス売場への買い物客の流入状況を動線データにより視覚化し、来店人数、アイス売場への到達人数、アイス売場における商品接触データなどを総合的に分析することで、アイス売場全体の売上向上が実現したとのお声をいただいています。
株式会社ロッテ様の活用事例詳細はこちら
転倒・転落リスク対策におけるAIカメラ活用事例
株式会社ケアコム様では、医療・介護施設での転倒・転落リスク対策や離床センサーの誤報軽減対策として、AIカメラを活用した見守りカメラシステムを展開。
一歩間違えれば転倒・転落につながる高齢者の離床動作などをAIカメラが解析・検知し、ナースコールNICSS親機やスマホ、PHSに通知することで、あらかじめ危険な動作を察知し、施設内での事故防止に貢献しています。
株式会社ケアコム様の活用事例詳細はこちら
大阪国際空港内カードラウンジにおけるAIカメラ活用事例
関西エアポートリテールサービス株式会社様では、大阪空港内のカードラウンジでの来客分析にAIカメラを活用されています。
これまで手作業で記録していた来場者の人数・性別・年齢などが自動化されたことにより、スタッフの工数が削減され、その分の時間をサービス品質向上のために充てることができるように。
また、生産効率の向上だけでなく、マスク着用でも来客の属性が取得できる点や、導入・運用費用が予想以上に低コストで実現した点においても評価をいただいております。
関西エアポートリテールサービス株式会社様の活用事例詳細はこちら
AIカメラの導入ならパナソニック発のVieurekaにご相談を!
パナソニックの研究開発部門から発足した私たちVieureka(ビューレカ)は、「世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造」をミッションに掲げ、開発・導入・運用などのハードルを下げるプラットフォームを提供しています。
高性能なCPUを内蔵したエッジデバイス「Vieurekaカメラ」をはじめ、これまで取得できなかった情報をデータ化して活用する「Vieurekaプラットフォーム」や顧客行動や商品の陳列状況をデータ化する「来客分析サービス」など、お客様のご要望に沿った導入のご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。