2021年09月2日
[データ活用術] 商品棚モニタリング機能の活用事例
酒類売場の商品の動きとコンバージョン
Vieurekaチーム
今回は、商品棚モニタリング機能の活用例をご紹介します。本機能は商品棚の陳列状況の変化をヒートマップで視覚的に確認できる機能です。ある期間内での一定時間ごとの画像の差分の累計からその期間内にどれくらい手に取られたかを推定します。
先の人流モニタリング機能の記事で掲載した冷蔵ケースの酒類売場のヒートマップ画像を見てみます(図1)。
最下段は350ml缶の6缶パックが2段積み、2段目は500ml缶の6缶パックが2段積みされています。3段目は350ml缶、最上段は500ml缶がバラで陳列されています。
ヒートマップから最下段の350ml缶6缶パックが一番手に取られていることがわかります。
2段目では、2段積みの下段はほとんど手に取られておらず上段だけが手に取られていることがわかります。品出し頻度が高く、よい店舗運営を行っているとも言えますが、売場空間の無駄が多いですし、2段積みの陳列はずれないように注意を払う必要があり店員にとって負担が大きい品出し作業になります。加えて、6缶パックは取っ手が上部にあり、お客様にとっても商品を取り出しにくいという弊害があります。
ですので、2段積みを取りやめて棚の段数を増やし取扱い点数を増やす、もしくは1段積みにして取りやすくするよう改善するといいかもしれません。
また、6缶パックに比べてバラが手に取られる頻度はあまり高くないので、3段目、最上段にはバラの代わりに最近流行のクラフトビールやビールのつまみを陳列することで売場空間の効率化やついで買いを期待できます。
次に人流モニタリング機能の結果と照らし合わせると興味深い結果になりました。
向かって左の棚には新ジャンル、右の棚にはビールが陳列されています。
先の記事にも記載した通り、新ジャンルの前の立寄り人数が多く、立寄り時間が長くなっていることが軌跡からわかります(図2左図および図3)。次にヒートマップを見ると、新ジャンルとビールは同じくらい手に取られていることがわかります(図2右図および図3)。つまり先の記事で、ビールは指名買いが多い、と推測しましたが、ヒートマップの結果からその推測が確からしいことを裏付けることができました。
また、ビールのほうが少ない人数で同じくらい手に取られていることから、ビールのコンバージョン率のほうが高いことがわかります。
今までは来店客の分析を中心に紹介してきましたが、商品棚モニタリング機能により商品棚の様子を可視化し、商品陳列の改善に活用できることをご覧いただきました。
また、人流モニタリング機能と併せて分析することで、来店客の動きと商品の動きを統合的に分析できるようになりました。1つのカメラで両方の機能を動かせる他社にないサービスになりますので、ご興味ある方は問い合わせフォームからぜひお問い合わせください。
※1:人流モニタリングの結果と商品棚モニタリングの結果を重ね合わせた画像表示は本サービスではサポートしていません。(2020年9月現在)