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2024年03月19日

  • コラム

ラズベリーパイ®(ラズパイ)の5つの種類|用途ごとのモデルの選び方は?

ラズベリーパイ®(ラズパイ)の5つの種類とは?用途ごとのモデルの選び方

手のひらサイズの小型コンピューターとして世界中で利用されている「ラズベリーパイ®(Raspberry Pi®)」。このラズベリーパイ®には、どのような種類があるのでしょうか?

今回は、ラズベリーパイ®の5つの種類についてそれぞれの特徴をまとめていきます。また、用途別にどの種類のラズベリーパイ®を選べばいいのかも解説するので、ラズパイの選び方でお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。

そもそもラズベリーパイ®(ラズパイ)って?

「ラズベリーパイ®(Raspberry Pi®)」とは、2012年の2月にイギリスの「ラズベリーパイ財団」によって発売された小型コンピューターのことを指します。

このラズベリーパイ®は、もともとは教育用コンピューターとして開発されたもの。手のひらサイズのプリント基板の上にCPUやコネクタ、入出力に必要なインターフェースなど、最低限の機能しか搭載していませんが、各種デバイスやセンサーと組み合わせることで、その高い拡張性によって一般的なパソコンのようにさまざまなIoTの仕組みを構築することができます。

現在、ラズベリーパイ®には5つの種類があり、プログラミング学習やゲーム機のほか、産業用ロボットや製造工場での検品作業など、個人的な趣味からビジネスシーンまでそれぞれの目的や用途によって使い分けられています。

関連記事:「Raspberry Pi®(ラズベリーパイ®)とは?IoT開発も可能なラズパイの特徴や使い方(※48記事目公開後リンク挿入)」

ラズベリーパイ®(ラズパイ)の5つの種類

ラズベリーパイ®(ラズパイ)の5つの種類

手のひらサイズの小型コンピューター「ラズベリーパイ®」には、大きく5つの種類があります。

  • Raspberry Pi シリーズ
  • Raspberry Pi 400
  • Raspberry Pi Zero シリーズ
  • Raspberry Pi Picoシリーズ
  • Raspberry Pi Compute Moduleシリーズ

ここからそれぞれの種類が持つ特徴について、分かりやすくまとめていきます。

ラズベリーパイ®の種類①:Raspberry Pi®シリーズ

ラズベリーパイ®の中でも1番有名でスタンダードな種類が、こちらの「Raspberry Pi®」シリーズです。

このシリーズには機能が少しずつ異なる派生モデルがあり、「Raspberry Pi®」の後にバージョン番号のほか、「Model A+」や「Model B」などのリビジョン名がついています。

【バージョン+リビジョン】
「Raspberry Pi 5」
「Raspberry Pi 4 Model B」
「Raspberry Pi 3 Model B+」
「Raspberry Pi 3 Model B」
「Raspberry Pi 3 Model A+」

2023年9月に発表された最新バージョン「Raspberry Pi 5」ですが、日本では2024年1月に総務省の「技術基準適合証明等(技適)」の認証を正式に受け、既に販売が開始されています。

この「Raspberry Pi®」シリーズは4,000〜15,000円程度で購入可能。特に現在販売されている中で最新モデルとなる「Raspberry Pi 5」は、ZeroやPicoなどのほかの種類のものよりインターフェースが充実しているため、初心者の方やラズベリーパイ®を使ってじっくりと電子工作やプログラミング学習を行いたいという場合におすすめです。

ラズベリーパイ®の種類②:Raspberry Pi 400

キーボード自体にラズベリーパイ®の機能を搭載したのが、こちらの「Raspberry Pi 400」というシリーズです。

キーボード一体型なので、モニターやマウスと接続すればデスクトップパソコンのように使えるのが特長。価格は1万5千円程度で、スペックも前述の「Raspberry Pi 4 Model B」と同程度。プログラミング学習のほか、産業用途としてもシステム開発などに適しています。

ラズベリーパイ®の種類③:Raspberry Pi Zero シリーズ

「Raspberry Pi Zero」シリーズは、ラズベリーパイ®の中でも小さい種類の一つ。価格帯は2,000〜3,000円程度で、省電力・低価格が魅力のモデルとなっています。

スタンダードシリーズと同じようにOSをインストールして使用するほか、モニターやキーボードなどにも接続できますが、スペックが「Raspberry Pi 4 Model B」の3分の1程度と控えめであるため、デスクトップパソコンのように使うには少し厳しいかもしれません。

ですので、産業用途として利用する際には、低コストでシステム開発をしたい場合や機器自体のサイズを小型化したい場合、また、センサー制御などで処理負荷が小さい場合などに適しています。

ラズベリーパイ®の種類④:Raspberry Pi Picoシリーズ

いくつかの種類に分類されるラズベリーパイ®の中でも、一番小型なのが「Raspberry Pi Pico」シリーズです。

前述のスタンダードシリーズや400シリーズ、Zeroシリーズとは違ってmicroSDカードスロットが搭載されていないため、ラズベリーパイ®用のOSを入れることができないほか、モニターなどにも接続することができません。

価格帯も700~900円程度と安価で購入できますが、この「Raspberry Pi Pico」シリーズはZeroシリーズよりもさらに機能を絞ったシリーズなので、産業用として利用したりパソコン代わりにしたりするにはスペック的にハードルが高く、趣味で電子工作やプログラミング学習を行いたい場合に適しています。

ラズベリーパイ®の種類⑤:Raspberry Pi Compute Module

「Raspberry Pi Compute Module」は、産業用など組み込み用途として販売されているシリーズです。

デジタルサイネージなどの内部に組み込むなど、機器の中に組み込んで使うためのラズパイということもあり、外付けでUSB端子・LANの端子(RJ-45)・音声ジャックなどの入出力インターフェースを搭載する必要がありますが、端子がない分、複数デバイスの接続など独自の構成にすることも可能。カスタマイズ性が高く、業務向けの専門的な使い方ができる点がメリットとなります。

この「Raspberry Pi Compute Module」シリーズは、RAMやeMMCの容量、また無線通信機能の有無によってさまざまなタイプの製品があるため、用途によって適した種類の製品を選ぶ必要があります。

種類も豊富!ラズベリーパイ®(ラズパイ)活用のメリット

種類も豊富!ラズベリーパイ®(ラズパイ)活用のメリット

もともと教育用コンピューターとして開発されたラズベリーパイ®ですが、今ではその種類・シリーズも増えており、産業用として利用されることも多くなっています。では、どうしてラズベリーパイ®の活用が広がっているのでしょうか?ここでは、そのメリットについて解説していきます。

低コスト

ラズベリーパイ®にはさまざまな種類の製品があり、安いものなら1,000円程度、最新モデルでも1~2万円程度で購入できるため、一般的なパソコンと比較しても低コストでIoTの仕組みを構築することができます。

高い拡張性

ラズベリーパイ®は、拡張性が高い点もメリットの一つだと言えます。

ラズベリーパイ®の種類によっては、USBのほかGPIO(汎用I/Oポート)と呼ばれるピンが搭載されているため、モニターやセンサーなど用途に合わせてさまざまなデバイスと接続することで、独自の機能を持った機器を開発することも可能。自由にカスタマイズできる点も幅広い分野で活用されている理由の一つです。

多様なプログラミングに対応

ラズベリーパイ®では、一般的なパソコンと同様にPython(パイソン)のほか、さまざまなプログラミング言語に対応しているため、用途に合わせて適した言語でIoT機器の開発を行うことができます。

Python ・ Java ・ Scratch ・ Ruby
C ・ C++ ・ Perl ・ Lua …など

消費電力が少ない

ラズベリーパイ®は消費電力が少ない点もメリットの一つです。
ラズベリーパイ®であれば、パソコンなどと比較しても省電力でサーバー機能を維持することができるため、省電力サーバーとして利用することも可能。運用コストの削減にもなります。

豊富な情報

ラズベリーパイ®は2022年に世界累計出荷台数が4,600万台を記録していることもあり、世界中に利用者が多くいるため、Webサイトやコミュニティにノウハウや情報が豊富にある点もメリットの一つです。

開発時に行き詰まったりしても、Webで検索をかければ解決策が見つかったりするなど、比較的容易に情報収集ができる点も魅力だと言えます。

どの種類がいい?ラズベリーパイ®(ラズパイ)の選び方

どの種類がいい?ラズベリーパイ®(ラズパイ)の選び方

ラズベリーパイ®には5つの種類がありますが、実際に活用する際にはどれを選べばいいのでしょうか?
ここでは目的別に適した種類のラズベリーパイ®をご紹介します。

ラズパイの種類の選び方:電子工作やプログラミング学習をしたい

電子工作やプログラミング学習にじっくり取り組みたいという場合は、スタンダードな「Raspberry Pi®」シリーズのうち、現在の最新シリーズとなる「Raspberry Pi 5」がおすすめです。ラズパイの基本的な機能が揃っているほか、インターフェースが充実しているため、いろいろ試行錯誤しながら使うのに最適です。

ラズパイの種類の選び方:趣味やお試しで使いたい

個人の趣味としてや手っ取り早くラズベリーパイ®を試してみたいという場合には、「Raspberry Pi Pico」シリーズがおすすめです。一番小型のモデルであるほか、価格も700~900円程度と安価なので、趣味で電子工作を行う場合や「ちょっと試しに使ってみたい」などでお試しする場合に適しています。

ラズパイの種類の選び方:産業用途で使いたい

産業用で機器に組み込んで使うなら、「Raspberry Pi Compute Module」シリーズがおすすめです。RAMやeMMCの容量、また無線通信機能の有無など、シリーズの中でもモデルによってスペックが異なるため、用途によって製品を選択する必要がありますが、カスタマイズ性の高さなら「Raspberry Pi Compute Module」が最適でしょう。

ラズパイの種類の選び方:機器自体を小型化したい

産業用途の中でも、機器自体のサイズを小さくしたいという場合は、「Raspberry Pi Zero」シリーズがおすすめです。
機能を絞って小型化したラズベリーパイ®ということもあり、処理負荷が小さいものであれば対応可能であるほか、低コスト・省電力で活用することができます。

ラズベリーパイ®(ラズパイ)の活用ならパナソニック発のVieurekaへ!

今回はラズベリーパイ®の5つの種類について解説してきましたが、実際に利用する際にはユースケースに合わせて必要な機能と性能を設計し、それに合わせて選ぶ必要があります。

特にラズベリーパイ®を産業用として利用する際には、その種類をどう選ぶかだけでなく、機器の中に組み込んだ本体をどう安定して運用するかという面にも注意が必要です。

というのも、ラズベリーパイ®の本体はプラスチックケースや箱などの筐体に格納されているわけではなく、基板自体がむき出しとなっているため各自で準備する必要があるほか、熱や静電気のようなものに弱いため、中には実際の業務で運用するのは不安だという声もあります。ですので、業務で利用する際には、ラズベリーパイ®の特性を十分に理解している専門家と相談しながら導入を検討するのがおすすめです。

パナソニックの研究開発部門から発足した私たちVieureka(ビューレカ)であれば、ラズベリーパイ®のデメリットとなり得る部分をカバーしながら、手間のかかるデバイスの一括管理やデータの可視化・ダウンロードもクラウド経由で効率的に行うことが可能です。

お客様のご要望や課題に合わせたご提案をさせていただきますので、ラズベリーパイ®の運用・管理にお悩みの場合は、ぜひ一度、私たちVieurekaにお問い合わせください。

※「Raspberry Pi」、「ラズベリーパイ」はRaspberry Pi財団の登録商標です。