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2024年03月8日

  • コラム

IoTをマーケティングにどう活かす?小売店や商業施設などにおける活用方法は?

IoTをマーケティングにどう活かす?小売店や商業施設などにおける活用方法は?

近年、多くの企業が積極的に導入を進めている「IoT」の仕組みですが、企業のマーケティングにおいても注目されているのをご存じでしょうか?

「マーケティングリサーチを効率化したい」
「店舗の売上を増やすにはどう改善すべきか」
「来店客の購買行動を詳細に分析したい」

…など、主に小売店や商業施設などにおけるマーケティング業務の参考にできるように、そもそもIoTとは何なのかをはじめ、IoTをどうマーケティングで活かすことができるのか、その活用例についてもご紹介します。

マーケティングにも有効?そもそもIoTとは

「IoT(アイオーティー)」とは”Internet of Things”の略で、私たちの身の回りにある “モノ”をインターネット経由で接続する仕組みのこと。近年では、製造工場の自動化や商業施設のマーケティングなどにも積極的に取り入れられており、生活やビジネスにおいて欠かせない存在となっています。

IoTを取り入れることで、遠隔地からでもモノを操作することができたり、モノの動きや状態を把握することができたりするようになるため、「スマートフォンを使って自宅のエアコンを遠隔操作する」「カメラを通して遠隔地からペットの様子を確認する」などのほか、ビジネスにおいては「AIカメラを使って来店客の数や動線を分析する」「データを分析して今後の需要予測を立てる」など、これまで人間が手作業で行ってきた作業を効率化することができます。

このようにIoTの仕組みは、私たちの身の回りの生活を便利にするのはもちろん、ビジネスにおいても上手く活用することで業務効率化だけでなく、これまで無かった価値や新しいサービスを生み出すことが期待されています。

関連記事:「IoTとは具体的に何?活用例を交えてわかりやすく解説!

マーケティングにおけるIoTの活用方法は?

マーケティングにおけるIoTの活用方法

IoTの仕組みを導入することによって、企業のマーケティングに欠かせないリサーチ業務を効率的に進めることが可能です。ここでは、小売店や商業施設などにおけるマーケティングで、IoTの仕組みがどう活用できるのかをご紹介します。

IoTのマーケティング活用例①:来客数や顧客属性

IoTの仕組みは、店舗における来客数や顧客属性を把握するためのマーケティングリサーチにも活用できます。

例えば、店舗への来客数を知りたい時はAIカメラを入口に設置することで、そこを通過した人数をAIが自動でカウントすることができます。また、AIカメラの人物検知機能を使って性別・年齢などの顧客属性、また車のナンバーや車種から顧客の所得層や居住エリアを分析するなど、店舗マーケティングに欠かせない詳細な顧客属性の把握も可能となるため、近年、IoTは小売店や商業施設などにおけるマーケティングリサーチを行う上で非常に有効な手段となっています。

IoTのマーケティング活用例③:顧客行動の把握

IoTの仕組みをマーケティングに取り入れることで、POSシステムを使ったリサーチよりも来店から購入に至るまでの顧客行動をより詳細にデータ化することが可能となります。

例えば、小売業界で指標とされているPI値(顧客1,000人当たりの購買指数)では、「レジ通過客数」を元に計算しますが、実際には「レジ通過客数=来店客数」ではないため、購買指数の実態を把握するには、

  • 店舗前を通過した人のうち何%が入店したのか(来店客)
  • 何%が商品の前に到達したのか
  • 何%が商品を手に取ったのか
  • 何%が購入したか(レジ通過客数)

…などレジ通過客数だけでなく、該当商品の売り場に到達した顧客数や購入に至るまでの顧客の動きなど、中間地点にも着目する必要があります。

このような際にAIカメラを活用して、来店客のうち何人が該当の売り場や通路を通って、何人が立ち止まったか、そのうち何人が商品を手に取ったかなどのデータを取得すれば、従来の手法ではブラックボックスと化していた来店から購入までの顧客の動きを明確化することができるようになります。

顧客の動きを把握することで、「通路を変えたら、この売り場への到達人数が増えた/減った」「商品棚のレイアウト変更前後で売上が増えた/変化がなかった」など、施策ごとの成果が分かるようになるため、売り場や商品棚のレイアウトを改善する際の分析に役立てることができます。

IoTのマーケティング活用例・商品棚モニタリング機能を使ったコンバージョン分析
到達者数と商品接触の割合イメージ

IoTのマーケティング活用例④:商品棚の活性度調査

店舗マーケティングの一環として、前述のPI値のほか商品棚の活性度を分析する際にもIoTの仕組みが活用できます。

一般的に小売店舗ではPI値を指標とし、それをもとに売上や買上点数の増加を図りますが、それらの顧客行動を細かく数値化するのは難易度が非常に高いのが実情です。

しかし、AIカメラなどのIoTの仕組みを活用して顧客だけでなく商品棚をモニタリングすることで、「商品が手に取られた」「商品が購入された」…など、商品棚の動きを細かく数値化することができるため、商品の需要予測やそれに基づく棚割りの検討に活用することもできます。

IoTのマーケティング活用例⑤:広告効果の最適化

IoTの技術なら、オンラインと違って測定が難しいオフライン広告の効果を測ることも可能となります。

例えば、商業施設内の店舗案内やイベント告知などに使われているデジタルサイネージ。
AIカメラの視線検知技術を使って人物の顔の向きや視線の動きを検知することで、このデジタルサイネージが視聴されているか、また通過人数のうちの何人が視聴しているかなどを調べることも可能。それらの視聴データを蓄積していくことで、効果の出やすい設置場所や告知内容を分析することができるなど、広告効果を最適化する際にも役立ちます。

なお、AIカメラができることや活用事例については、こちらの「AIカメラで何が分析できる?可視化された顧客行動を店舗運営に活かすには」や「AIカメラの取得データはどう使う?実際の現場での活用事例とは」で詳しくご紹介しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

IoTを活用してマーケティングを成功に導くには

IoTを活用してマーケティングを成功に導くには

顧客属性や購入に至るまでの行動の把握、商品棚モニタリングなど、マーケティングにおいて欠かせないリサーチ業務で大きな活躍を見せるIoTの仕組み。しかし、業務にIoTのシステムを導入してデータを取得するだけでマーケティングが成功するわけではありません。

IoTで企業のマーケティングを成功に導くには、まずは自社の課題を明確化しておくことが重要です。その上でIoTを自社のマーケティングにどう活かすことができるのか、取得したデータをどう取り扱うのか…などを整理し、計画立てて導入しましょう。

その際、自社内にIoTのシステムに関する知識やスキルを持つ担当者がいればいいのですが、そういった人材がいない場合は信頼できる専門家に相談することをおすすめします。最近では、IoT導入からマーケティングにおけるデータ分析・活用までを一貫してサポートしてくれるサービスを提供している会社もあるため、一度問い合わせてみると良いでしょう。

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