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2023年10月24日

  • コラム

IoT におけるデータ収集の必要性って? 具体的な取得方法やデータ活用の事例も紹介

IoT におけるデータ収集の必要性って? 具体的な取得方法や活用の事例も紹介

さまざまな業種の現場で注目されているIoTですが、実用的なデータ収集が可能になったことによってあらゆる製品やサービスに活かされるようになりました。
こうして収集したデータを活用して新しい価値やサービスを創出することが企業間でも広がりつつあります。

しかし、実際にデータがどのように収集されてIoTが活用されているのか具体的に知らない方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、そんなIoTにおけるデータ収集の基礎知識や実際のデータ活用事例をご紹介いたします。

IoTのデータ収集の流れ

IoTのデータ収集の流れ

「IoT(アイオーティー)」の導入を検討する企業が求めているものは、今抱えている課題を解決し、効率よく業務を進めてあらたなサービスや製品を生み出すことです。そこで大切なポイントとなってくるのが、IoTでのデータ収集。

IoTを利用することによってインターネットに接続されたデバイスから多種多様なデータを収集し、蓄積して分析を行うことが可能となりました。
しかし、ひと言に「データ収集」と言っても収集できるデータにはいろんな種類があります。
企業がIoTを導入する前にまず考えておきたいのが、どのようなデータを収集し、どのように管理して活用するかということです。これらを明確にすることで、業務効率化や生産性の向上、業務改善へとつながりやすくなります。

では、実際にどのようにデータ収集を行うのか、基本的な流れを説明いたします。

【IoTのデータ収集の流れ】
ステップ1.IoT機器と各種センサーを接続して連携する
ステップ2.センサーが検知したデータをデジタル化して取得
ステップ3.取得したデータをクラウド上に収集して蓄積する

上記のように大きく分けて3つのステップによってデータを収集し、分析することで目的設定や必要なデータの洗い出しを行っていきます。

ちなみにステップ2のIoTセンサーにはいろんな種類があり、音、振動、温度、光、位置情報、距離といったあらゆるデータを収集します。データ収集したいものに合わせてセンサーとデバイスを選びましょう。

またどれくらいの規模や頻度でデータを収集し、どう運用していくかによって、センサーやデータを管理する基盤となるプラットフォーム選びの見極めも重要になってきます。IoTをうまく活用していくには、プラットフォームの管理のしやすさも大切なポイントといえるでしょう。

IoTで収集できるデータの種類は?

IoTで収集できるデータの種類は?

マーケティングや商品、サービスの改善など企業がもつ課題の解決において、ビジネスにおけるデータの重要性は近年ますます増しています。
売上や顧客データだけではなく、あらゆるデータを収集して分析することが企業にとって新たなビジネスチャンスの発掘につながる可能性も。ビジネスを発展させるには、目的に応じた最新のデータを収集する必要があります。

現在はIoTの技術により、機器にセンサーを取り付けることでさまざまな種類のデータ収集ができるようになりました。
ここではIoTでどんなデータが活用されているか、代表的な種類をご紹介します。

IoTのデータ収集例①:行動履歴のデータ

消費者の行動をICカードや端末IDなどのほか、カメラや人感センサーなどのIoT機器からデータを取得したもの。

お店でいうと来店客がどの時間に入店しているか、どのくらい滞在しているか、どの時間帯に店は混混雑しているのか、またどのような商品やサービスを閲覧し購入履歴しているかなど、購買につながるデータが収集できるため、マーケティングの施策に役立つ可能性があります。

IoTのデータ収集例②:位置情報のデータ

GPSを利用したIoTデバイスによって人やモノ、自動車などの位置情報をデータ化して走行ルートや現在地などのデータを収集します。
身近なもので例に挙げると、スマートフォンやタブレットでの地図アプリや、カーナビも位置情報データを活用したものになります。

また近年のECサイトの急激な普及によって、物流業界では位置情報のデータが欠かせられないものに。商品についたタグや運送時に付けられるコードなどから状況をキャッチし、出荷のタイミングや配送状況など、消費者が知りたい情報をリアルタイムで確認できるようになりました。

IoTのデータ収集例③:生体情報のデータ

生体データは人や動物の身体から取得できる情報のこと。病院で患者の筋電や心電のデータを時系列で取得したり血液中のデータを確認したりと医療現場で幅広く活用されています。

またスマートウォッチなどの計測機能をもつIoTデバイスから運動時の心拍数や消費カロリー、睡眠状況などのデータを取得すれば健康状態を知ることも。医療に限らず、フィットネスやウェルネス目的での活用も増えています。

IoTのデータ収集例④:環境情報のデータ

気温や湿度、光、音などといった環境情報を取得するIoTの活用の動きも増えてきました。天候の状況を農業に活かししたり、住居やビルの工事現場では騒音レベルを測定したりと、あらゆる現場で環境情報を取得するIoTセンサーが導入され、リアルタイムで業務にデータが活かされています。

IoTのデータ収集例⑤:機器のデータ

IoT技術によってあらゆる機器がインターネットに接続されるようになったものの、管理している機械やその部品が劣化したり故障したりすると性能が低下するリスクは以前と変わりません。

しかし、機器や設備の稼働状況や故障の予兆監視、IoT機器自身の稼働状況などをデータ化することによってトラブルが起こった際にすぐ原因が追究できるほか、定期メンテナンスなどの目安にも。
あらかじめ機器を管理するシステムにしておけば、不具合や故障などのトラブルを事前に避けやすくなります。

IoTのデータ収集例⑥:在庫情報のデータ

店舗や物流倉庫の現場では、ハンディターミナルや重量計などのIoTデバイスを用いて商品の在庫を管理しています。
商品に付いたコードやタグを読み取り、在庫数や重量、期限などの情報を自動で計算して管理することで効率的な作業が可能となります。

収集したデータの活用事例

データ収集の手順やデータの種類をご紹介しましたが、次に収集したデータをどのように活用しているのか、具体的な例を見ていきたいと思います。

私たち「Vieureka(ビューレカ)」の製品・サービスを実際に利用された企業様の活用事例をご紹介いたします。

店舗内の人流と商品棚をモニタリング

店舗における人流モニタリング機能の活用事例

こちらはある店舗での酒売場の商品の動きと人流のデータを収集したものです。
線の描画は人流モニタリング機能で来店客ごとの動線データ(軌跡)を表したもので、来店客がどのように商品を物色してその場に滞在しているかがこの画像から伺えます。画像の左側に線が糸の塊のようになっているのは、いろんな商品を物色しているという証拠に。

また商品棚に色が付いているのは、陳列の状況の変化をヒートマップで視覚的に表す商品モニタリング機能です。この図からどの商品が手に取られているかが確認できます。

この二つのデータから来店客と商品棚の様子を可視化し、両方のデータを分析することによって商品陳列の改善へとつなげることができました。

●関連記事:[データ活用術] 商品棚モニタリング機能の活用事例

映画館での放映コンテンツに応じた来客数や属性の変化

映画館全体の週毎の来場者数
映画館全体の週毎の来場者数
スクリーンの週毎の来場者数
スクリーンの週毎の来場者数

これらのデータは、とある映画館にて1カ月間の来客データをグラフにしたものです。
一番上にある映画館全体の来場者数は夏に向けて増加している一方で、一つのスクリーンの来場者数を見ると一度下がっている箇所があります。要因を調査すると放映する作品が変更した日と重なっており、これらのデータから放映作品の切り替わりが来客数に影響することが分かりました。

スクリーンの来場者の男女の人数
スクリーンの来場者の男女の人数

またさらに来場者の属性を分析して男女の人数をまとめたグラフを見ると、放映作品の入り替えとともに男女の割合が逆転している結果に。このほかにも年齢層別など、属性にわけた来客数のデータを活用することでコンテンツに応じた来場客の動きが見えてきます。
これらのデータをもとに、客層に合わせた広告や館内の通路にあるサイネージのコンテンツを切り替えるなど、より効果的なマーケティング施策が実現できるでしょう。

●関連記事:[データ活用術]映画館での放映コンテンツに応じた来場者数や属性の変化について

小売チェーン店の来客人数の比較

図1 週ごとの1日当たりの平均来店人数
図1 週ごとの1日当たりの平均来店人数
図2 週ごとの1日当たりの平均来店人数(1/25週を基準とした比率)
図2 週ごとの1日当たりの平均来店人数(1/25週を基準とした比率)

こちらはある小売りチェーン店8店舗の入口にカメラを設置して約5カ月(22週)分の来客人数のデータを取得したものです。
図1を見ると3/22週とゴールデンウィークの週に来客数が増えていることが分かります。

さらに、図2のように週ごとの1日当たりの平均来店人数のデータをグラフにしてみるとどうでしょうか。
こちらのデータは単に人数をデータ化したものでなく、図2の一番左にある1/25週を基準とした比率となります。

こうして見ると、店舗Aが好調であることが浮き彫りに。逆に店舗Eの伸び率が悪く、注視すべき必要があることが分かりました。

このように1つの基準に対する比率を見ることで、洗い出される課題が見えてくることも。同じようなデータでも見方を変えることによって、発見があるのがデータの面白さでもあります。

また来客数の伸びにどんな要因があったのか、実際の出来事や施策と絡めて考察していくと、さらに新しい発見があるかもしれません。

IoTでのデータ収集ならパナソニック発のVieurekaにご相談を!

パナソニックの研究開発部門から発足した私たちVieureka(ビューレカ)は、「世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造」をミッションに掲げ、開発・導入・運用などのハードルを下げるプラットフォームを提供しています。

高性能なCPUを内蔵したエッジデバイス「Vieurekaカメラ」をはじめ、これまで取得できなかった情報をデータ化して活用する「Vieurekaプラットフォーム」や顧客行動や商品の陳列状況をデータ化する「来客分析サービス」など、お客様のご要望に沿った導入のご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。