2023年09月29日
IoT活用がもたらすメリットとは? デメリットや対処法についても解説
社会全体のIT化が進み、さまざまな場面で活用されるようになった「IoT」。
モノとインターネットを接続することによってデータの取得や遠隔操作ができるようになり、業務の効率化や質の高いサービスがかなうとビジネスにおいても期待されています。
企業などでIoT導入を検討するにあたって、具体的にどんなメリットあるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事ではIoTを導入するメリットはもちろん、活用する上でのデメリットやその対処法などもわかりやすく解説していきたいと思います。
今後、IoT導入を検討されているという方はぜひ参考にしてみてください。
目次
IoTとはどんなもの?
活用メリットの多いIoTですが、まず「IoT(アイオーティー)」はどんなもの?」ということについて、簡単におさらいをしましょう。
Iotとは”Internet of Things”の略称で、日本語では「モノのインターネット」と訳されています。
簡単に説明をすると、“モノ”がインターネットに接続される仕組みのことをいいます。
これまでインターネットを活用するものといえばパソコンやスマートフォン、タブレットなどの通信機器のみでしたが、近年は音声で家電を制御するスマート家電やセンサーデバイスを搭載した自動運転車などが普及し始め、急速にIoTの実用化が進むようになりました。
また個人の家庭だけでなく、IoTは小売業や工場、医療、農業などあらゆる業界で活用が本格化しています。今後さらにIoTが普及することで、私たちのライフスタイルにも大きく影響を与えていくことでしょう。
IoTの仕組みや活用方法など、「IoTをもっと詳しく知りたい」という方は、過去の記事でもご紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
●関連記事:「IoTとは具体的に何?活用例を交えてわかりやすく解説!」
IoTのメリット
IoT技術が登場したことによって、世界中あのあらゆるモノがつながり私たちの生活はとても便利になりました。
離れた場所から操作をしてモノの動きや状況を把握したり、人がいなくでもモノ同士で情報を共有したりとこれまで不可能だったことが可能になったのです。
便利な仕組みをもちビジネスでも多く活用されているIoTですが、実際導入することによってどんなメリットがあるのでしょうか。ここではIoTがもたらすメリットを挙げて、一つずつ解説していきます。
IoTのメリット①:利便性の向上
IoTのメリットにまず挙げられるのが、多くのユーザーにとって利便性が向上することです。
モノとモノがインターネットに接続されることで離れた場所からでも操作ができ、手動で行っていたことが自動化するなど不便だったことが解消されるようになりました。
遠隔操作での管理や情報収集、情報分析、人工知能への活用が可能になったことは、工業や農業、医療、都市などあらゆる分野での応用が期待できます。今後もIoT技術が進むことで、私たちの生活や社会がより便利で快適ものへと変わっていくことでしょう。
IoTのメリット②:生産性が上がる
IoTの仕組みを活用することで、作業の効率やコストの削減につながるのも大きなメリットの一つです。
わかりやすい例は、工場や倉庫で行っていた商品管理です。IoTが導入されるとハンディなどの情報から在庫の商品数やピッキングの進行状況がリアルタイムで行われ、一元管理が可能に。データ上で管理しているので、従業員が在庫を一点ずつ数える必要もなく、値段に変更があった際も一括でデータの変更が行えるようになります。
こうして自動化することで商品点数の数え間違えや記入漏れなどの人為的なミスが減り、トラブルによる業務停止も回避することができます。
また遠隔操作が行えることで離れた工場や支社へ直接足を運ぶこともなく、結果的に移動費や人件費などのコスト削減に繋がることが言えるでしょう。
IoTのメリット③:データ収集頻度が上げられる
どんなビジネスの場面においてもデータの収集や分析は必要不可欠です。
IoTを活用ですれば、これまで人の手で1日1回しか収集できなかったデータも毎時間、毎秒と自在に設定して自動的に収集させることができます。
例えば、医療や介護の現場でIoTのウェアラブルデバイス(身体に装着するデバイス)を活用すれば、これまで1日に1回血圧を測っていたのに比べて一日中血圧の推移を見守ることができるため、以前の測定では気付かなかった体調の変化や治療法など、新たな発見が期待できます。
またグラフなどでデータが可視化されることによって、必要としていた知見をスピーティーに得ることができるでしょう。
IoTのメリット④:新たなサービスやビジネスにつながる
前述でデータ収集頻度が挙げられることに触れましたが、より正確でたくさんのデータを収集し、分析することでその規則性や異常値、相関・因果関係など、さまざまな情報を得ることができます。
取得したデータを活用することで「こんなことができたら便利」「これが解決できれば」といった企業の課題を解決したり、今後のマーケティングに繋がったりすることも。
こうしてIoTデバイスによる膨大なデータから生まれる気づきは、新たなサービスやビジネスへの足掛かりとなるのです。
まずはIoT導入でどういったことができるのかシミュレーションを行うだけでも、ビジネス創出のアイデアが生まれるかもしれません。
IoTのメリット⑤:リアルタイムで現場を把握
IoTの活用によって遠隔でデバイスの操作や管理ができることも大きなメリットと言えます。
常に現場で起きていることを把握し、実態を把握することでこれまで必要だった時間や業務が効率化され、結果的に生産性の向上に。現場に閉じたオンプレシステムと比べて、サービスの維持や価値向上をしやすくなります。
最近ではIoTの普及によってモノを売買するのではなく、レンタルやシェアリングといったサービス提供することが増えてきました。従来、人がいて管理していたものも、IoT利用によって商品や利用者の管理ができるように。消費者もスマートフォン1つで簡単に情報を知ることができ、必要な時に利用できるようになったのです。
このように画期的な製品やサービスが充実することで、消費者にとって便利で満足度の高い豊かな社会が実現できます。
IoTのデメリット
IoTにはメリットがたくさんあることが分かりましたが、その一方でデメリットもあるため注意が必要です。
導入する際にはメリット、デメリットの両方を把握したうえで検討を進めましょう。
IoTのデメリット①:セキュリティリスクの懸念
IoTを利用するということは、インターネットの接続が不可欠です。サイバー攻撃によってデータの情報の漏洩やハッキングによるデバイスの乗っ取りなど、セキュリティ面で発生するリスクも考えておかなければいけません。
特にIoTでは個人情報や支払いに関することなど社外秘の重要なデータを扱うこともあります。利用を検討する際は十分なセキュリティ対策が必要です。
IoTのデメリット②:通信障害や機器の故障
セキュリティリスクに加えて、気を付けなければいけないのが通信障害や機器の故障時の対応です。
まれにアクセスが集中して通信ができなくなったり、契約している通信キャリアのインターネット回線に障害が起こったりするケースも。
またインターネット回線が正常であっても、機器の故障やソフトウェアに障害が発生することも考えられます。
ネットワーク障害や機器の故障そのものを完全に防ぐことは難しいですが、定期的なメンテナンスを行うなど、トラブルが発生するリスクを低く押さえる必要があります。
IoTのデメリット③:電力供給に頼っている
前述のインターネット回線も同じことが言えますが、IoTの機器を動かすには電力も必要不可欠です。
電力の供給が止まってしまうと、データの送受信や処理が途絶えてしまうのもデメリットと言えるでしょう。
特に介護や医療などの場面では、安全や人命に関わるケースも。災害や故障などの影響で電力供給が途絶えてしまった場合にどう対応するべきか、こちらも事前に対策が必要です。
IoTのデメリット④:IoTに精通する人材不足
人々の生活のいたるところでIoT技術が導入・普及されて、その市場は年々拡大しています。
しかし、その急激な拡大によってIoTに精通する人材が追い付いておらず、人材不足はIT業界全体で深刻な社会問題となっています。
せっかく導入してもIoTに関する知識が浅ければ使いこなせないケースも。データを収集しても、うまく活用できなければ意味がありません。機器を使う従業員たちがIoTの仕組みを理解するためにも、基礎知識の研修が必要となります。
今後は知識やスキルのある人材を確保することが企業の課題です。逆に言えば、IoTの人材育成やノウハウを継承させる体制が整っている企業は、次世代にむけて大きな強みとなるでしょう。
IoTのデメリット⑤:機器の管理が必要
IoTの活用で便利になる一方で、機器の総数が増えることで管理が煩雑化するという問題点もあります。
IoTは基本的に一店舗だけや一か所だけで活用するのではなく、全店舗や全室、全売り場など広い範囲で機器を導入することによって最大限に活かされるケースがほとんどです。
しかし、使う側の人間がうまく管理できていないとせっかくの機能を果たしきれません。
IoTの導入における懸念点の対処法は?
IoTのデメリットについて解説してきましたが、IoT導入に起因する問題点にはどのような対策をとればよいのでしょうか。
何かと不安要素のあるデメリットを回避する対処法は、次のとおりです。
自然エネルギーを活用
生活のあらゆるものが電力に頼っている今、電力供給の課題はIoTだけに言えたことではありません。
この問題への対処法に関しては、「エネルギーハーベスティングの活用」が挙げられます。「エネルギーハーベスティング」とは、周囲にある環境から熱や振動、光などのエネルギーを集めて電力に変換する技術のこと。
代表的なものにソーラーパネルがありますが、実際に農業や交通をはじめ電源の確保が難しい場所などでは太陽エネルギーを活用していることも多く見られます。
自然のエネルギーを使活用した電源があることで、万が一災害などによる停電が起こっても影響を受けずに済ませることができます。
機器側でデータを保護
通信や電力供給が途絶えるとデータの送受信が止まってしまうだけでなく、最悪の場合データに不具合が起こってしまうことも想定できます。
しかし、日常的にIoT機器側に備わったストレージ(SDカードなど)にデータを溜めておき、通信が途絶えた場合でも再開された時に再送するような仕組みにしておけば、データのトラブルを回避できます。即時性が必要なアラート機能などの場合は対応できないこともありますが、必要なデータが保護されていることで、業務が一時停止してもスムーズに再開できるのは安心です。
ちなみにVieurekaが提供する「Vieureka Manager」では、通信出来なくなったことを即座に検知して担当者にメールを送るような工夫も。障害そのものを無くすのは不可能ですが、“障害に気付く仕組み“を備えておくのが大切です。
機器故障を予知
インターネット回線が正常でも機器が故障してしまっては、システムがストップしてしまいます。
故障のリスクを減らすために普段からのメンテナンスは必要ですが、IoT技術を駆使すれは事前に故障を予知するようなことも可能です。
例えば、工場で使っている機械の一部が劣化してくると、その時期に合わせて新しい部品が自動的にオーダーして届く仕組みにしておけば、担当者が部品の替え時に気づきやすくなります。
また、Vieurekaが提供する「Vieureka Manager」ではCPU使用率やメモリ使用率、CPU温度などを取得しています。こうして稼働状況や稼働時間をウォッチするだけでも、故障のリスクを下げる対策に。将来的にはこれらのようなデータによって予知機能が実現するかもしれません。
一元管理プラットフォームの採用
デメリットの章でIoT機器の総数が増えると管理が煩雑になることに触れましたが、そういった場合は機器を一元管理するサービスを利用するのが問題解決への近道です。
Vieurekaのプラットフォームサービスを例に挙げると、世界中のカメラの最新状態を遠隔からでも一元管理が可能です。
どこで何台のIoT機器が登録されていて繋がっているか、オンラインかオフラインかの把握をはじめ、IoT機器のソフトウェアバージョンやIoT機器で動くアプリのバージョンの状態を一元で管理したり、アップデートしたり実行・停止を行うことができます。上述のように全機器のCPU使用率などがわかれば、故障などのリスクも防ぐことも。
このように一元管理が可能になれば、IoT運用の煩雑さも解消されることでしょう。
IoT導入のメリットデメリットについてはパナソニック発のVieurekaにご相談を!
パナソニックの研究開発部門から発足した私たちVieureka(ビューレカ)は、「世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造」をミッションに掲げ、開発・導入・運用などのハードルを下げるプラットフォームを提供しています。
高性能なCPUを内蔵したエッジデバイス「Vieurekaカメラ」をはじめ、これまで取得できなかった情報をデータ化して活用する「Vieurekaプラットフォーム」や顧客行動や商品の陳列状況をデータ化する「来客分析サービス」など、お客様のご要望に沿った導入のご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。