2023年08月4日
AI活用で効率化できる業務とは?実際にAI導入によって業務効率化を実現した事例もご紹介
企業の業務効率化を図るために欠かせないAIですが、実際のところ、AIを導入すればどのような業務が効率化できるのか、具体的な内容までは良く分からないという方も少なくありません。
そこで今回の記事では、AI活用によって効率化できる業務とはどのようなものかについて解説していきます。また、実際にAI導入によって業務効率化を実現した事例も紹介していきますので、AIによる業務効率化に興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
目次
業務効率化を実現するAI
AIとは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」と訳されています。実は、このAIという言葉には明確な定義はないのですが、一般的には「人間が持つ知能・知性を人工的に再現したシステムや技術」を指すことが多くなっているようです。
近年においてAIは、コンピューターの高性能化によって従来よりも高精度な処理が可能となったこと、またIT化によってコンピューターの学習に必要なデータが入手しやすくなったことなどを要因として活用範囲が広がっており、既に様々な業種・分野においてAIの画像認識や音声認識、言語解析技術などを利用したツール・サービスの導入が進められています。
特に、日本においては人口減少による労働力不足が深刻な課題となっている企業も多く、そういった企業が生き残るためには、限られた労働力の中で生産性を高める必要があります。そのような時にAI導入が課題解決の一つの手段となるのです。
既にAIを導入した企業では、AIによって業務を自動化することで属人化を防止したり、ルーティン作業をAIに置き換えて人材を別の業務で有効活用したり、人材不足による業務負担を軽減して働き方改革を進めたりするなど、幅広い分野において業務効率化や生産性向上などの成果が出始めています。
関連記事:「AIカメラ導入のデメリットは?導入前に知っておきたいAIのメリットとデメリット」
AI活用によって効率化できる業務例
AIを活用することで、企業のどのような業務が効率化できるのでしょうか?
ここからはAI活用によって効率化できる代表的な業務について、それぞれ解説していきます。
問合せ対応
AIを活用することで、問い合わせ対応の業務効率化を実現することができます。
例えば、カスタマーセンターやヘルプデスクなどへの問い合わせには様々な内容のものがありますが、中には似たような質問や問い合わせが多くある場合もあります。そのような時に、AIが自動で回答してくれるチャットボットが活躍します。
WebサイトにAIチャットボットを搭載することで、24時間365日自動でスピーディーに対応できるため、顧客満足度の向上にも一役買います。また、対応の一部を人間からAIに置き換えることで、人手不足の解消や人件費削減などに繋げることもできます。
また近年では、AIの音声認識や自然言語処理技術を利用したシステムなども登場しており、顧客の音声を分析して自動で応対するなど、オペレーター業務の効率化が進んでいます。
営業
従来の営業活動では、担当者が直接取引先を回って直接営業をかけると言った手法が取られることが多くなっていましたが、AIによってそれらの手間を削減し、より効率的に営業活動を行う企業も増えています。
例えば、AIの技術を利用したCRMやSFA、MAツールなどを活用することで、顧客の属性や購入・問い合わせ履歴などの蓄積データから成約率の高い見込み客を抽出したり、顧客の嗜好を分析して最適な商品を提案したりするなどが可能となります。
AIが過去のデータから自動的に情報を分析してくれるため、それを参考にすれば、営業担当者はより成約率の高い見込み客に対しての営業活動に集中できます。
人事・採用業務
企業の人事や採用業務の効率化にもAIは有効です。
例えば、採用時のエントリーシートの審査にAIを活用すれば、経歴やスキルなどを分析して最適な人材を見つけることができたり、人事においても、従業員の勤怠管理や人事評価・キャリアプランの設計などにも利用できたりするため、企業の人事・採用担当者は、データ上では分からない人にしか判断できない部分の精査に集中することが可能となります。
AIが分析した情報と実際に人が判断した情報を掛け合わせることで、少ないリソースでも各部署への最適な人材の配置や育成プランの作成など、従来よりも効率的に行うことができるようになります。
入退室管理
オフィスや各種施設などでは入退室の管理業務にAIを活用することで、保安や設備管理業務の効率化を図ることも可能です。
あらかじめ従業員を顔認証などで登録しておけば、重要なエリアへの立ち入りでも従業員が一人一人の入退室を管理せずとも自動的に判別することが可能です。人間が目視で入退室を管理するよりも安定した精度で行うことができること、また「いつ・誰が・どこに・どれぐらい滞在したか」などをデータとして残すこともできるため、業務効率化だけでなくセキュリティ面の強化にも繋がります。
さらに、入退室のデータを活用すれば、部屋の混み具合によって空調を制御することも可能。他にも、衛生管理が重要な食品工場などでは、AIカメラが入館証を自動的に判別することでハンズフリー通過ができるなどのシステムを組み込み、業務の効率化を図っているケースもあります。
生産・品質管理
近年では、生産工程を自動化するFA(ファクトリー・オートメーション)の導入が進んでいますが、それらにAIを活用することで、生産・品質管理業務の効率化が可能となります。
例えば、AIの画像認識技術なら商品化できない傷や汚れ・規格外の形状などを認識させておくことで、自動的に不良品が検知できるなど、作業員が目視で行っている作業を省力化するだけでなく、人の目で確認するよりも速く高い精度で検品作業が行えます。
また、人間と違って体調や担当者のスキルに影響されることなく24時間365日稼働でき、安定して生産を管理することができるため、工場における業務効率化に加えて属人化防止にも役立っています。
設備の保守・保全
専門業者の目視による点検が必要な設備の保守・保全業務も、AIによって自動化することで業務効率化が可能です。
特に、点検作業自体が難しい危険なエリアや設備・機器などは、AIによって自動化することで、安全かつ担当者の負担を大きく軽減することができます。また、担当者によってバラつきがちな点検の精度も、AIに置き換えることで安定するため、機械の故障や設備の老朽化などを予測しやすくなります。
物流業務
工場などと同様に物流業界でも、AIによる業務効率化が進んでいます。
近年の社会情勢やインターネットの普及によって配送量が増加したことで、年々、物流業界での人材不足が深刻となっていますが、そういった際にAIの画像認識を利用すれば、倉庫などでの入出庫作業の際に入力業務を自動化することができるため、人材不足解消の一つの手段ともなります。
さらに、AIが過去のデータや気象データなどを分析して需要予測を立てることで、適切な在庫管理や人員割り当てができるだけでなく、渋滞予測をもとにドライバーの配送ルートを最適化することができるなど、物流業務を様々な角度から効率化することも可能です。
店舗運営
AIは小売店などの店舗運営業務も効率化できます。例えば、画像で商品を認識して精算を行うセルフレジのシステムや、商品棚の欠品を検知するシステム、万引きがあった場合に通知するシステムなど、AIを活用したシステムを導入すれば、店舗運営における様々な業務が効率化可能です。
またAIの画像解析技術を使って顧客の行動データを蓄積・分析することで、商品需要の予測や売場レイアウトの改善にも役立ちます。
害虫駆除
本来、工場や農地における害虫駆除は多額のコストと時間がかかるものですが、AIを活用することで業務を効率化することができます。
例えば、工場などにおいて糞害はもちろん漏電や火災の原因ともなるねずみ。そのねずみをリアルタイムで遠隔監視し、AIが撮影データを分析してねずみの出現データを可視化すれば、効果的に駆除することが可能となります。
また近年では、あらかじめAIに害虫に関するデータを学習させて害虫が移動する方向や飛ぶ方向を予測、レーザーなどを発射して害虫を撃ち落とす…といったシステムも登場しているため、それらを応用すれば害虫駆除にかかる時間も労力も削減することができます。
AI導入で業務効率化を実現した事例
ではここからは、AIによる業務効率化例として、私たちVieureka(ビューレカ)のAIカメラを利用した活用事例をいくつかご紹介します。
業務効率化事例①:来客分析を自動化してスタッフの工数を削減
こちらの事例は、大阪空港内のカードラウンジにおいて来客分析業務を効率化した事例です。
来場者の人数・性別・年齢など、これまではスタッフが手作業で顧客属性を記録していたのですが、その工数がスタッフの負担となっていることが課題となっていました。そこで、AIを活用することでそれらの作業を自動化、それによりスタッフの工数が大きく削減され、業務効率化に繋げることに成功。
さらに、AIが顧客を分析した結果をもとに商品を入れ替えるなど、業務効率化によって空いた時間をサービス品質向上のために充てることができるように。今後も、常時ラウンジ内のお客様の人数を把握しつつラウンジ内のサービスをより改善するなど、AIの分析結果をもとにお客様満足度向上のための新たな施策を検討中とのことです。
業務効率化事例②:モニタリングの労力を削減しねずみ駆除を効率化
工場や倉庫などの施設では、一般的にねずみ対策として粘着トラップを床や天井裏などに設置し、捕獲の有無によってねずみの定着・侵入を把握しますが、警戒心の強いねずみはトラップを避けてしまうため、その対策にかける時間と労力が課題の一つとなっています。
そんな害虫駆除の業務を効率化するのが、こちらのAIカメラを活用したねずみ検知システムです。
24時間365日の間、赤外線カメラで撮影し続けた膨大なデータをAIが解析。ねずみ検出時にリアルタイムでアラートが届くシステムとなっているため、効率的な害虫駆除が可能となります。
AIの分析によりねずみの動線が把握できることで再侵入時の対策が立てやすく、従来のモニタリングにかかっていた労力を大幅に削減することができるため、各企業の業務効率化に一役買っています。
業務効率化事例③:実証事例で91%の巡視時間を削減
AIの技術は、介護施設における巡視業務やコール対応業務の効率化にも有効です。
これまで介護施設のスタッフにとって負担となっていた夜間巡視業務ですが、AIカメラを活用することでスタッフルームからの巡視ができるようなサービスを展開。実証事例では91%の巡視時間を削減するなど、業務にかかるスタッフの精神的・時間的負担を大幅に軽減することができるようになりました。
また、入居者の部屋に行く前にAIカメラの映像で状態を把握しておけば、すぐさま状況に応じた適切な対応が行えるほか、過剰な訪室を減らすこともできるため入居者側のストレス軽減ともなり、AIの活用によって業務効率化だけでなく介護サービスにおける品質向上にも貢献しています。
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AIカメラの導入ならパナソニック発のVieurekaにご相談を!
パナソニックの研究開発部門から発足した私たちVieureka(ビューレカ)は、「世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造」をミッションに掲げ、開発・導入・運用などのハードルを下げるプラットフォームを提供しています。
高性能なCPUを内蔵したエッジデバイス「Vieurekaカメラ」をはじめ、これまで取得できなかった情報をデータ化して活用する「Vieurekaプラットフォーム」や顧客行動や商品の陳列状況をデータ化する「来客分析サービス」など、お客様のご要望に沿った導入のご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。