2023年07月26日
【Vieurekaパートナーインタビュー】第5回 環境機器株式会社様
Vieurekaパートナー企業の方々にインタビューを行い、Vieurekaの使い勝手や活用した取り組み、そして実際の苦労話などを本音ベースで余すところなくお届けするシリーズ企画です。
今回は、長年大阪の高槻の地から日本全国にサービス提供されている環境機器様にお話をきいてきました。環境機器様は害虫駆除・防虫に関してコンサルティングを実施されている商社です。営業開発部副部長の亀本様と課長の武津様に会社での取り組み内容や苦労話を伺ってきました。ではインタビューをご覧ください。
今までの経歴を教えてください。
武津:ペストビジョン(ネズミ・飛来昆虫対策のためのモニタリング)の開発を担当しています。薬剤師の資格をもっており大学では化学を勉強していました。当社は医薬品や殺虫剤を販売しているので薬剤師免許が必要になります。実際に薬剤師としての業務はさほど多くはなくペストビジョン関連の仕事をメインにしており専門外の仕事を担当しています。機器の現場設置や調達、設定といった業務を多岐にわたって実施しています。
亀本:私は当社に2010年に入社しています。それ以前はシステム開発会社でシステムエンジニアとして働いていました。当社に転職してからは、防虫業界のIT推進・底上げを目指すという当社のビジョンのもと、それを実現する為に日々活動をしています。入社13年目になりますが、6年目からは害虫をAI・プログラムで捕捉する“ペストビジョン“という事業を立ち上げて現在も担当しています。
貴社の概要を教えてください。
亀本:当社は、防虫業界に対して資材や薬剤を販売・卸売をしている防虫コンサルティング商社です。創業時は農薬などを噴霧するための噴霧器の販売から始まっています。取扱商品は、噴霧器、それを使って散布する農薬の販売から防虫サービスへと拡大していきました。商品としての機器類はほとんど壊れることがなく、買い替え需要が多く見込めません。2000年に現在の社長が就任してからは、ハードウェア販売に加えて消耗品販売を拡大して行きました。環境機器の主な取引相手は、防虫・消毒業者様、シロアリ駆除業者様になります。
主な取り扱いサービス・商品は何ですか?
亀本:薬剤、機材・資材がメインです。BtoBのお客様のほとんどが防虫業者様です。数名から100名以上まで幅広い規模の取引先があり、日本全国と一部海外にも提供をしています。
エンドユーザー向けへのサービス提供もされているのですか?
亀本:ペストビジョンは、防虫業者様のその先、当社からするとBtoBtoBのエンドユーザーに対して提供するサービスでもあります。また薬剤・資材の販売については、BtoC事業としてネットショップの運営もしています。一般家庭の害虫を駆除する商品などを多数取り扱い、エンドユーザー向けに販売しています。
社員の方の職能を教えてください。
亀本:商品を販売する営業担当が約15名。商品開発やセミナー講師を担う虫の専門家、博士号を保有しアカデミックに虫を研究している者が約10名。その他には事業企画担当も在籍しています。同業他社と比較すると、当社の特徴は、商品の販売以外に、虫の専門家が虫の生態から防虫対策を検討し現場のお客様に対してコンサルティングができることですね。
虫の専門家が貴社に入社される動機は何ですか?
亀本:虫が好きな人達が、そのまま虫好きを活かした仕事ができるからだと思います。
社員は何名在籍されているのですか?
武津:35名くらいです。パートの方を含めると50数名在籍しています。また虫好きな人と虫が嫌いな人の割合は5:5くらいですね、ただ研究者に限って言うと全員虫好きですよ。(笑)
貴社の社内雰囲気を教えてください
亀本:どちらかというと大家族のような和気あいあいとした感じだと思います。例えば武津が電話やオンライン会議など隣で話しながら仕事している時など、気になると口出しをしてしまうこともあります(笑)。自分の直接的な仕事でないので、同僚が失敗しても自分には関係ないと考え関与しない会社もあると思うのですが、私はついつい気になって口出ししてしまいますね。
武津:忠告してもらったところを反映したおかげで失敗せずに済んだこともあり、結果的にもありがたかったと思います。
貴社の強みを教えてください。
亀本:先程も触れましたが、防虫に関するコンサルティングができる点が他社と比較して差別化できる部分です。当社と取引を行うと付加価値が大きいと思って頂けることですね。お客様ごとに、当社の虫の専門家が無償で勉強会やセミナーを実施しています。このような活動も含めて当社を気に入ったお客様が商品を購入頂いています。取引のあるお客様には、スケジュール管理や顧客管理といったSaaSも安価で提供しています。もちろん防虫関連の取扱商品点数も豊富です。
お客様からの相談事項で多い内容は何ですか?
亀本:ある現場で害虫をいくら対処しても抑えられない。また監視カメラでチェックしていても害獣が減っていない。捕獲用トラップをおいても全く捕まらない。といった相談がありました。こういったご相談が多く、当社の虫の専門家が現場に同行しコンサルを長年続けてきた結果、色々と現場のノウハウも蓄積されてきました。お客様の課題を一緒に解決することでお客様と良好な関係が構築できており、新商品の効果判定をする際にも相談に乗っていただいています。
なぜペストビジョンにVieurekaカメラを活用しようと考えたのですか?
亀本:Vieurekaを採用する前のペストビジョンは、既存の機器を組み合わせたシステムで構成されていました。高額で専用機ではなく機器点数も多かったので設置の難易度は高く、トラブルを起こすリスク要因も低くはなかったです。一番苦労した事は、旧システムではトラブル時は現場に行かないと解決できなかったことです。当社から近い現場は現地に足を運んで対応していましたが、遠い現場は、お客様にお願いして実機を返送してもらいました。このような問題に対する見直しを検討していた頃、エッジ側で分析ができ遠隔メンテナンスができるVieurekaというサービスがあるのを当社の社長が探し当て、「これ使えるのでは?」とアドバイスをもらったのがきっかけで問い合わせました。
実際Vieurekaカメラを採用しようと思った決め手は何ですか?
亀本:使用している機器が動作しないというトラブルが発生しにくいであろうこと、また、なにかトラブルが発生したとしても大半は遠隔操作し対処できるという期待があったからです。更に設置が容易になった、つまりVRK-C301(Vieurekaカメラ)だけで設置が完了することですね。旧システムでは、カメラ、PC、ハブ、電源と色々な機材の準備が必要でした。準備する機器が減っただけでも大幅なコストダウンにつながります。
ペストビジョンの初号機はいつ発売されたのですか?
武津:5年前に発売しました。先程説明したように、お客様にご協力頂き現場で稼働しておりますが、メンテナンスの大変さもあって苦労しました。
亀本さんはIT推進をされているとのことですがITの活用要望は増えていますか?
亀本:経営課題を解決するために要望はだんだん増えてきています。それにはIT化のその先、DX化を進めていくことが重要です。防虫業界は、当社よりもITの活用が進んでいる会社はありますし、まだまだ活用が進んでいない会社もあり業界内での格差は大きいです。IT化がすべてではないですが、労力のかかる作業をITで効率化し、今以上に防虫のプロフェッショナルならではの業務に時間を使ってもらうためのサービスを提供できればと思っています。この課題を解決する一つのソリューションとしても、ペストビジョンは防虫業界のゲームチェンジャーになると思っています。
パートナー制度はいかがでしょうか?
亀本:今回ペストビジョンをVieureka対応する決め手の一つにもなったのは、パートナー制度があったからです。Vieurekaの性能や実力は使ってみないとわからないですが、パートナー制度があるのでVieurekaというハードウェアに関して得意な人たちが集まっているだろうし、ゼロから始めるのでなく、ある程度下地がある段階から検討が始められるという期待感がありました。残念ながら加入後、早い段階でコロナ蔓延の影響でオフラインでのパートナー間の交流ができなかったこともあり経過年数ほど親交できなかったですが、数社のパートナーとの交流をもてました。ビジネスになったりそうならなかったりしたこともありました。またハンズオンにも参加させていただきました。私が開発を実施することはないのですが、実際に自分で目利きというか体験させていただくことでより発注したいという想いが強まりました。Vieurekaの完成度の高さを感じました。
ハンズオンに参加された印象はどうでしたか?
亀本:システム開発を経験していた者からすると、Vieureka独自のフレームワークが充実しているので、工数を掛けずに作りたい部分だけを注力して作れるようになっていると思います。難しいところは、ドキュメントもあればVieurekaの皆さんの技術的なサポートもあるので満足しています。その点に関しては、今回開発したペストビジョンにおいても実感しています。Vieureka Managerのサービス変更に対する細かい要望についても対応してくれありがたいです。
今後Vieurekaを活用して取り組みたいことはありますか?
亀本:現在Vieurekaを活用できているのは、ネズミに対しての検知です。お客様から羽の生えている虫やゴキブリのような地面を這う虫なんかを検知してほしいという要望があります。その解決策として、過去に静電容量センサーを使って虫が乗ったら検知する試作機を作りました。ただしこのトラップはあまり検知できずうまくいきませんでした。まだ諦めていないので、サーモカメラやVieurekaなど検討してみたいと考えています。
新しくパートナー加入を検討されている会社へのアドバイスをお願いします。
亀本:今回のペストビジョンもVieureka対応には時間がかかったけれども、販売まで実現しました。 Vieurekaの皆さんが投げ出さずに温かい目で見守ってくださり、手厚いサポートがあったからだと思っています。開発や情報のやりとりでは、Teamsを使ってスムーズに進んだのでやりやすかったです。開発をしている際に躓いたときのリカバリー対応もとてもスムーズだったので、今回開発頂いたパートナー企業様やVieurekaの皆さんも信頼できるなと思いました。
Vieurekaへの要望はありますか?
亀本:Vieurekaカメラに関してですが、お客様から防塵・防水の要望がされることがあり食品工場では湿度が高く水滴や霧があるところに設置してほしいという要望があります。VRK-C301に外付けの囲いで実現できるとか新しいカメラとかあればいいですね。