2023年02月14日
AIカメラに欠かせない画像認識技術とは?その種類や画像処理の仕組み
人工知能におけるディープラーニング技術の向上によって、急速に進化を遂げているAIカメラの画像認識。
車の自動運転や工場の自動化(FA:ファクトリーオートメーション)など、様々なところで画像認識技術の活用が進んでいますが、その仕組みについては「難しそうで、取っつきにくい」と思われている方も少なくありません。
そこで今回は、そもそも画像認識とは何か、その歴史や種類、仕組みについて分かりやすくまとめていきます。
目次
AIカメラにおける画像認識とは
画像認識とは、カメラで撮影した映像などから対象となる人物や物などを識別したり動作を識別したする認識技術の一つです
人間であれば、映像に映っているのが人物なのか物なのかを過去の経験に基づいて判断することができますが、コンピューターにおいて画像や映像はあくまでもピクセルが集合しただけのもので、それが“何か”を識別することはできません。
しかしAIを活用して、大量のデータから対象となるものの特徴を学習させることで、そこに映っているものが何なのかを識別できるようになるのです。
近年では、AIにおけるディープラーニング(深層学習)の技術が急速に向上したことで人間と同等の画像認識ができるようになってきており、既に幅広い分野でそれらを活かしたAIカメラの導入が進んでいます。
AIカメラに欠かせない画像認識の歴史
多くの企業で導入が進んでいるAIカメラに欠かせない画像認識の技術ですが、その歴史は意外と古いのをご存じでしょうか?
実は、皆さんが良くご存じの「バーコード」も古くから使われている画像認識の手法の一つで、1940年代に発明され、1960年代からアメリカで実用化が始まったもの。このバーコードは、バーとスペースの組み合わせによって数字や文字を読み取るというシンプルなものですが、そのパターンによって情報を認識させる立派な画像認識の技術です。
そして、1990年代後半から2000年代にかけてデータの高速処理が可能に。
それに伴い、人工知能(AI)によるディープラーニング技術やハードウェア性能が向上、画像認識の技術が飛躍的に進歩しました。
昨今では人間と同等以上の画像認識を行う技術も登場していることから、今後も更なる発展が期待できる分野だと言えます。
AIカメラではどう画像認識を行うのか
人間の脳とは異なり、コンピューター上で画像はあくまでもピクセル単位の情報の集合体として捉えられるため、それが“何か”を識別することはできません。そのため、AIカメラにおいて画像認識を行う際は、ピクセルの集合体のパターンからオブジェクトを抽出して処理するという高度な処理が必要です。
では、具体的にどういった処理が行われるのか、ここでは、その画像処理の基本的な手順について簡単にご紹介します。
画像認識の手順①:映像取得
画像認識の際には、まずカメラのレンズやセンサーを通して、映像を取得します。
画像認識の手順②:信号処理
一般的なデジタルカメラや監視カメラなどの撮影時でも行われる処理と同じですが、AIカメラにおいても、映像取得後は画像の明るさ調整や色補正、輪郭強調などを行います。
画像認識の手順③:領域抽出
次に、画像の中から認識したい範囲を指定し、対象物の領域を抽出します。
この領域抽出を行うことで、画像認識を行いやすくします。
画像認識の手順④:認識処理
対象物の領域を抽出した後、その領域内のパターンからそれが“何か”を認識します。
画像認識は、この①~④の手順のように、AIカメラで撮影した映像を処理して対象を抽出、最後に対象物を認識するという流れで行われています。
AIカメラにおける画像認識技術の種類
AIカメラの画像認識では、目的や用途によって様々な異なる技術が使われています。
ここでは、3つの代表的な画像認識技術についてご紹介します。
- 物体認識
- 顔認識
- 文字認識
物体認識
物体認識とは、AIカメラを活用して画像に写った物体を認識する技術です。
物体認識には、「一般物体認識」と「特定物体認識」の二つがあり、画像に写った物体のカテゴリーを認識するのが「一般物体認識」で、画像の中からあらかじめ登録された特定の物体認識するのが「特定物体認識」です。
例えば、AIカメラで道路上のものを認識する場合、「一般物体認識」では、道路に写っているものが車なのか自転車なのか歩行者なのか…など、物体のカテゴリーを区別します。それに対して「特定物体認識」は、車というカテゴリーの中から具体的な車種を判別する技術となっています。
顔認識
顔認識とは、画像に写った人物の顔から目立った特徴を抽出して認識する技術のことです。
基本的に人物の顔の中から目・鼻・口、そして顔の輪郭などを抽出し、一般的な特徴から年齢や性別を判別します。
この顔認識で抽出した情報を使って人物の特定や照合を行う技術が「顔認証」と呼ばれるもので、よくセキュリティなどでも使われています。
文字認識
AIカメラにおける画像認識技術では、文字や数字の読み取りができる文字認識というものがあります。
文字認識では、画像内に写っている自動車のナンバープレートや荷札に書かれた送り先などからテキストを抽出、それを文字に起こして使用する際などに利用されています。
この文字認識の技術は、バーコードなどの1次元コードやQRコードやARマーカー、Data Matrix(データマトリックス)などの2次元コードなどを読み取り、そこに込められた情報を認識する「バーコード検知」という技術と共に古くから研究されている分野となっています。
AIカメラの画像認識技術にはここでご紹介した認識技術以外にも数多くの技術があります。
具体的にどんな種類があってそれらに何ができるのかについては、こちらの「AIカメラにできることは?検知の種類を知って業務の効率化を実現!(※公開後リンク挿入)」で詳しくまとめていますので、参考にご覧ください。
AIカメラの画像認識で企業の課題を解決
今回は、画像認識とは何かと共に、その歴史や種類、画像処理の仕組みについてご紹介しました。
この画像認識の技術を搭載したAIカメラは、店舗やオフィス、工場など、多種多様な業種で導入が進んでおり、人手不足の解消や作業の効率化に貢献しています。
そのAIカメラの活用方法や具体的にどんな事例があるのかについては、こちらの「AIカメラの取得データはどう使う?実際の現場での活用事例とは」で詳しくご紹介していますので、是非こちらも併せてご覧ください。
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