2023年01月31日
AIカメラにできることは?検知の種類を知って業務の効率化を実現!
AIカメラとは、人工知能を搭載したカメラのことで、従来のカメラでは難しかった映像の解析がAIによって可能となるため、セキュリティの強化だけでなく、業務の効率化に役立つものとなっています。
しかし、AIカメラで業務の効率化ができると言っても、具体的にできることとは何なのか詳しく知らないという方も少なくないはず。
そこで今回は、AIカメラを使ってどんなことができるのか、検知できる種類をジャンルごとにまとめてご紹介します。
目次
AIカメラの仕組みとできること
人工知能を搭載したAIカメラは、カメラで撮影した画像を解析することで、そこに映っている人物や顔などを認識したり、物体の異なるパターンを検出したりすることができるもの。現代においては、セキュリティの効率化だけでなく、収集したデータをマーケティングや店舗の売り場作りに活用するなど、幅広い業種・業態で導入されています。
AIカメラは、「エッジAI」と呼ばれる端末側でAI処理を行うものと、「クラウドAI」と呼ばれる端末から送信したデータをクラウド上でAI処理を行うものの大きく2種類に分けられており、それぞれ用途や目的によって使い分けられています。
尚、AIカメラとは何か、また実際の活用事例についてはこちらの「AIカメラの取得データはどう使う?実際の現場での活用事例とは」で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
AIカメラでできること①:人に関する検知
一言でAIカメラと言っても、その利用目的や用途はさまざまです。
ここでは、AIカメラを使ってできることについてご紹介します。
人物検知
AIカメラでできることと言えば、代表的なものが人物検知です。
人物検知は、特定エリアにおける人数や滞在時間の計測、混雑状況の把握、また侵入検知など行うもの。そのため、セキュリティ利用だけでなく、例えば店舗内での人物の動きを解析して、売り場のレイアウトやマーケティングなどに応用されています。
顔検出・顔認証(認識)
一般的に、「顔検出(検知)」と「顔認証(認識)」は別物となっており、「顔検出(検知)」は、AIカメラに撮影した映像から人物の顔を検出し、性別・年齢・眠気(目の開き具合)・顔の向き・表情…などを解析します。
それに対して「顔認証」は、あらかじめ登録しておいた人物の顔を判別する技術です。前述の顔検出によってAIカメラに映った人物の顔を検出した上で、その顔があらかじめ登録されたAさんなのかどうか、個人を識別するものとなっています。
姿勢(骨格)検知
姿勢検知は、骨格検出や骨格推定とも呼ばれ、人物の関節点を推定して姿勢を検出する技術です。
よくスポーツのフォーム確認などで使われるほか、介護施設などでは、入居者の転倒を検知するために利用されたり、レクリエーションの際にどの程度の動きがあるか確認したりする時などに応用されています。
視線検知
視線検知は、AIカメラに映った人物の視線の動きを検出する技術です。
例えば、ショッピングセンターなどに設置されているサイネージがどれぐらい視聴されているかという調査や、自動車運転時にドライブレコーダーに搭載されている車内カメラで、ドライバーのわき見運転を検知する際などに使われています。
離床検知
離床検知は、介護の現場などで「端座位(ベッド端に座位)」や「立ち上がり(離床)」などを検知するものです。
前述の人物検知や姿勢検知を、さらに具体化させたものとなっています。
動体検知
動体検知は、単に動きがあったかどうか、つまり、画像に変化があったかどうかを検知するものです。この動体検知は、古くから監視カメラでのアラート機能として使われてきました。
この動体検知を利用して、前述の人物検知のように特定のエリアに人がいるかどうかを解析することもありますが、そのエリアに人物がいても、全く動かずに止まっていれば人物であっても検出されません。
AIカメラでできること②:物体検知
AIカメラでは、人物だけではなく“モノ”を検知・検出することも可能です。
ここでは、物体に関する検知についてまとめていきます。
オブジェクト検出
人物検知と同様にAIカメラでできることに代表されるのがオブジェクト検出です。
オブジェクト検出は、AIカメラを使って“モノ”を検知する技術で、AIカメラに映った画像の中に特定の物体があるかどうか検知するだけでなく、車両台数や倉庫での段ボール数の検知なども可能です。
パターン検知
AIカメラでできることの一つに、他とは異なる物を検出するパターン検知というものもあります。
パターン検知は、工場で商品出荷をする際の検品に利用されたり、物以外にも大勢の中から特定の人物を見つけ出したりする際にも使われています。
外観検査
パターン検知に近しい技術として、AIカメラでは外観検査も可能です。
例えば、商品の外観の様子からパッケージにゴミなどの異物が付着していないか、また金属や樹脂部品に傷がついていないかなど、微細な欠陥や傷、不良品などが判別できます。
この外観検査は、近年の工場の自動化(FA:ファクトリーオートメーション)に伴って、増加しているAIカメラの用途の一つだと言えます。
欠品検知
欠品検知とは、その名の通り商品などの欠品を判別する技術です。
例えば、店舗などではAIカメラで商品棚などの空きを検知することで欠品した商品を判別するなど、発注や商品補充の効率化を進める際に導入されています。
アナログメーター検知
アナログメーター検知は、工場などに設置されているメーターの数値確認を行う技術です。
人の目で行うアナログメーターの数値の読み取りや記録作業において、ミスの軽減や作業効率の向上を目的として活用されています。
AIカメラでできること③:バーコード・文字の検知
AIカメラでできることには、人物や物体だけでなく、皆さんもよくご存じのバーコードなどの読み取りも含まれます。
バーコード検知
バーコード検知は、その名の通り、商品などについているバーコードの読み取りです。
「バーコード」というと厳密には1次元のコードになりますが、QRコードやARマーカー、Data Matrix(データマトリックス)などの2次元コードの読み取りも含まれます。
文字検知
AIカメラでは、バーコードのような形状のものだけでなく、文字や数字の読み取りも可能です。一般的に「OCR(Optical Character Reader)」と呼ばれる技術で、カメラで認識したテキストをコンピュータ―上で認識できる文字情報に変換します。
この文字検知は、自動車のナンバープレートや荷札に書かれた送り先などを検知して文字に起こすなどで利用されることもあります。
AIカメラでできること④:交通に関する検知
AIカメラでできることには、交通に関する検知も多数存在します。
白線検知
車両に搭載されたAIカメラによって白線を検知することも可能です。
この白線検知は、車の自動運転などに用いられているもので、道路上の白線や駐車場の枠を認識することができます。
標識検知
標識検知は、白線検知と同様に車の自動運転に用いられている技術です。
いわゆるADAS(Advanced Driver-Assistance Systems/先進運転支援システム)と呼ばれ、ドライバーの運転を支援するために必要な技術の一つとなっています。
車体認識
AIカメラに映った映像から、自動車やバイク、自転車などの車体を検出するものです。
車体認識は、防犯のためだけでなく、駐車時間の計測や台数カウント、動線などの把握などにも用いられています。
また、トラックなどの車両の側面に設置されたAIカメラによって自転車やバイクを検知し、巻き込み事故を防止するなどにも応用されています。
車種認識
車体認識と同時に使われることの多いのが、車種認識です。
例えば、トラック・普通車・ワンボックスカーなどの車種や、それぞれのメーカー・車名を判別することができます。
ナンバープレート認識
AIカメラでできることの一つとして文字の検知についてご紹介しましたが、その中でも特に実用化されているのが、ナンバープレート認識です。
ナンバープレート認識は、盗難車や不審な車両の監視だけでなく、駐車場や工事現場の入出場管理、交通量調査などでも活用されています。
AIカメラでできること⑤:その他セキュリティに関する検知
ここでは、AIカメラでできるセキュリティに関する検知をまとめます。
置き去り・持ち去り検知
置き去り・持ち去り検知は、爆弾など危険物の置き去り、もしくは盗まれたものを検知するなど、セキュリティの一つとして活用されています。
不審行動の検知
不審行動の検知は、銀行ATM出の振込詐欺の防止や万引きの防止に活用されているものです。
この不審行動の検知は前述の姿勢(骨格)検知の一つとなりますが、例えば、銀行ATM周辺に設置されたAIカメラに映った人物の姿勢から腕を耳のところに持って行っているかどうかを判別して振込詐欺の可能性を未然に防いだり、また、AIカメラが特定の行動を検知すると店舗スタッフに通知を送って万引きを防止したりと、セキュリティ面で活用されています。
白杖・車いす検知
AIカメラでは、白杖や車いすを検知することも可能です。
主に、駅での事故防止などのセキュリティ用途として使われています。
妨害検知
AIカメラではさまざまな検知が可能ですが、カメラ自体が機能しなくなっては意味がありません。そんな時に使えるのが、妨害検知です。
妨害検知は、スプレーをかけられたり布を被せられたりといったAIカメラ自体への妨害を検出します。
AIカメラでできることを活かして課題を解決
ここまでAIカメラでできることとは何なのかをまとめてきましたが、一言でAIカメラと言っても、幅広い用途や目的で活用できることがお分かりいただけたかと思います。
今後、日本に限らず先進国や中国などにおいても、将来的に人手不足が顕著になっていくだろうことが予測されています。そんな時に役立つのが、AIカメラを活用したシステムです。
AIカメラは、人に変わる “目” となるだけでなく、現場の生産性を向上させることができるため、新たな社会インフラとしてますます活躍の場が広がっています。
「人の目に頼っていたデータ収集を自動化したい」
「異物や傷など、検品作業を効率化させたい」
「オフィスや工場のセキュリティを強化したい」
…などの課題をお持ちの場合は、一度、AIカメラの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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